パリにはパラスホテルと呼ばれる超高級ホテルが幾つかあり、ミッシュランの3つ星レストランが入っているところも多い。お泊りにも3つ星にも最近ではもう縁のない私がこの手の場所に出入りする理由は「サロン・ド・テ」つまり「お茶をするため」
ルーブル美術館、ジュー・ド・ポーム美術館、オーランジュリー美術館にも近いので、美術館巡りの後に立ち寄ってもらいたいサロン・ド・テのひとつはここ。
ムーリスのメインダイニングはミッシュランの3つ星で、その隣に「ダリ」というカジュアルなダイニングがあります。こちらは星なし。でも、ムーリスの中のレストランですからね、やはりここの料理の総指揮は3つ星シェフのヤニック・アレノ氏によるものだそうです。メインダイニングでの食事はまったく行ったことがないですが、ここのダリのアフタヌーン・ティーは好きでときどき行きます。そのメニューはこちら(PDF)をご参考にどうぞ。
ここがそれをやっているという事はホテルのサイトを見ないと分からないくらいに控えめな情報です。雑誌なんかに取り上げてもらったり、大々的な宣伝をすれば良いのに、今、ホテル業界はみなさん集客で大変なのですから。でもそうしないのはホテル側の意思なのかもしれません。一回掲載されると色々な人が押しかけてきてホテルの雰囲気が崩れる恐れがあるからでしょうか。やっぱりこのレベルとなると宿泊客もシックだから気を使わなければと思い、アフタヌーン・ティー程度にドレスアップして出かけたら浮いちゃいました。いかにもおのぼりさん丸出しになってしまいました。
さりげなくテーブルにお部屋のキーを置いていた宿泊客はカジュアルだけどセンスのあるお洋服。でも、あんた本当にムーリスの客?と言いたくなるようなくたびれたジーンズとTシャツ、それもブランド物でさえもない、か、或いはあなた様は成金様ですねと言いたくなるような方もちらほらと。でもこれだけ様々な人を見かけても、サロンの広々さが混雑感を感じさせず、静かです。
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夢路とみこ
[328]ジャンポールエヴァンの店(1)
ルーヴルからオペラの間はパリの中でも伝統的な観光地で季節を問わず世界中からの観光客でいつも賑わっています。だから食事処もお茶をするところもかなりいい加減なサービスと味なのに値段だけ一丁前なんだからといいたくなる店が多いのです。
またここには、高級店が並ぶサントノレ通りがあり、世界で一番土地が高い、宝飾店ばかりだかららしいけど、ヴァンドーム広場もあるから有名なセレクトショップの「コレット」やパリを代表するパティシエのジャンポール・エヴァンの店もあります。これらの店は軽食が食べられるサロン・ド・テを併設しています。
この店のすごいところは、ここがパリか東京か錯覚してしまいそうな雰囲気にあります。まずその理由の第一は、地上階(日本の一階)はショップなのですが、販売員の数名が日本人らしく日本語が良く聞こえる、そして包装や支払いが素早い、まるで日本のデパート並み。小さな商品にも大きな袋に入れるのも日本。
そして一階(日本の二階)にはサロン・ド・テがあります。ここはランチタイムになると近くの会社員と言っても場所がサントノレ通りだからシックな人たちばかり、またはいかにもこの界隈の常連買い物客と思わせるようなブルジョワマダムたちが大集合。
ここのランチタイムの食事にはセットメニューというのはないようですが、単品のひとつひとつをとても丁寧に作る少ない品数です。メニューだけ沢山あっても手抜き料理、レンジでチンして出すようなカフェやブラッスリーはパリに多いですからね。それからすると少ないメニューでも一品一品に手が凝っているなと思える料理を出す店なら少々高くても(と言ってもその差額は僅か1、2ユーロ程度でしょ)を払う気になれます。
時々耳にする話で、お菓子作りは目方が重要だから几帳面な性格でないと良いパティシエには慣れないし、また、良いパティシエは料理をするとしてもやはりきちんと目方を量るところがあるから美味しく美しいものが出来ると聞きます。
料理人の場合、感性が主体となって作るから料理人からパティシエに転職することは、パティシエが料理人になる事よりも少ないらしい。感性が重要視されるという点からか、料理人がソムリエになったという話は良くのですが。
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