[260]パリで男の料理の腕を磨く

シャンブルドットに宿泊することが観光客の間で定着の兆しを見せつつあるなか、滞在中にホストファミリーから料理を習う体験型の依頼も増えて来ました。ここでの料理教室は至ってシンプル。マダムと一緒に朝市やスーパーでのお買い物に始まり、ランチか夕食の料理を教わりそして会食。宿泊者は夕食を、料理教室のみの人はランチを教わります。
料理の内容はだいたいが家庭料理、それもずぐ後で二本で実践できるようにと食材もごく平均的なものを選んでいます。だから覚えやすいし、またフランスでは調味料一つでも日本とは少し違うというエッセンスなども覚えられます。プロの料理人のレベルを求めるならコルドンブルーや料理研究家の講習があるけれど、マダムの都合さえ合えば一人でも受けてもらえるし、追加料金で日本語アシスタントも付けられるという気軽さがある。
いつもこの手のプチ留学の手配を依頼してくる旅行会社から「今回の希望者は男性なんですけど、どこのお宅がお勧めですか」と問合せがあり、男の手料理ならやっぱり教える側もムッシュが良いのでは、と思い、ムッシュが料理をするお宅のリストからトデア夫妻を選出。料理教室は女性の特許か社交場のように思われがちですが、最近は男の手料理はモテル秘訣のひとつ。日曜大工が出来て、車の整備に詳しく、料理も出来たらもうこれは白馬の王子様どころか、スーパーマンだ!
トデア夫妻はムッシュが料理をマダムがお菓子を作ることで、宿泊した人たちの評判はかなり良い。当日は私もブログの取材を兼ねてお邪魔した。朝、三人でムッシュの車に乗って20区にあるとても庶民的な朝市へ。パリの朝市は活気がある。これは季節を問わずに活気がある。この時期はちょうどジビエ、野禽の季節だから日本ではあまり見かけないお肉がたくさん見れる。野菜だってこの時期ならではのものが。ムッシュは日本から来た男性に一生懸命分りやすい英語でお肉や野菜の説明をする。とても楽しそう。料理をしている間も声をかけて、ジェスチャーを交えてとアクティブに教えてくれる。まさしくマンツーマンの料理教室。
ムッシュトデアの料理教室の模様
パリでのプチ留学は
夢路とみこ
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紹介してゲイフレンドリーのお宅と分ると断られるケースがあります。これは非常に残念なこと、襲われるとでも思っているふしがあるというのも、ちょっと腑に落ちませんが。80ユーロ位払って2つ星に泊まるなら、同じ料金でシャンブル・ドットに泊まった方が快適だと思います。20-30ユーロも追加すれば、フランスらしい家庭料理を味わえるし、もてなしというものを味わえます。
ゲイの人、何人か知っていますが、同性が好みという事以外は全く私達と一緒。それにお客に襲い掛かるオーナーなんて聞いた事もない。考え過ぎ、偏見ですね。むしろホームステイしていて、ステイ先のお宅の男性とそういう関係になったとか、ルームシェアしていて同居人に襲われたみたいな話の方が一般的。襲わなくても合意の上での関係を築き、「アジア人を試してみたかった」で最終的には捨てられた、みたいな話の方が現実的。ホームステイや同居は滞在期間が長期だし、一緒に過ごす時間も長いので情から情事にそして惨事に移行しやすい環境にあると思いますが。
でも、シャンブル・ドットのようにある意味での接客業務でそんなリスクを犯すオーナーなんて聞いたことも無いですね。少なくとも私が訪問したゲイフレンドリーのお宅には想像もつかないこと。どのオーナー達も精一杯もてなしてくれるし、宿泊した日本人観光客の受けも良かった。ゲイフレンドリーがオープンなパリだからこそ体験出来るユニークなことだと思いませんか。
とある宿泊客とゲイフレンドリーのオーナーの話でこんなのがあります。
このお客さん、到着したのは日曜日、この午後には異業種交流会、エクスパット・パリで私の企画したピクニックに参加する予定でした。チェックインしてからオーナーに「これからとみこと一緒にピクニックに行くんだけど、どこで食べるものを買ったらいいんだろう」と相談したら、ムッシュが冷蔵庫からごそごそとハムやチーズを出してきて「お店は休みだから何も買えないこれをもって行け!」と気安く渡してくれたそうです。これは完全にオーナーのサービス、気持ちでして、追加料金など請求は来ていないようです。さて、ホテルのフロントでこのような相談をして、「じゃあ」とキッチンから物を持って来てくれる、そんなホテルがあったら教えて!毎朝、「今日はどこへ行くの、ここはお勧め観光スポットだよ」とはシャンブル・ドットのオーナーの配慮らしいと思います。
夢路とみこ
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