シャンブル・ドット(CDH)に対する人気が増加する理由は、ホテルと違ってホームステイ感覚で滞在が出来る、オーナーの手料理が食べられるなどに挙げられると思います。どのオーナーもフレンドリーだし、観光アドバイスもしてくれる。だいたい英語が通じるから身振り手振りでも楽しい会話になる。ホテルではフロント係りと交わす言葉は限られていて友達感覚になる事はまずない。だからこそシャンブル・ドットは人気があるし、私のところもリピーターが多い。
ホテルと違った体験を求めてシャンブル・ドットへの申し込みをする人は多いけれど、ホテルと違ったシステムがある事について理解する人はまだまだ少ない。
CDHは部屋数は最大でも6室、パリなんて大半が1,2室。一部のオーナーが自己サイトを持っている以外は仲介業者を通して紹介しているのみ。ホテルと違って広告なんてだしてないし、地方のそれと違ってパリでは道を歩いていてすぐにここがCDHであると分かるようにはなっていません。だから予約条件もホテルとは違います。これは重要な点です。
例えば空室状況を問い合わせてきて回答が遅れると、その間オーナーは他からの予約を断らなければなりません。予約が成立すれば安泰だけど断られた場合は他を断っているから空室になってしまいます。
また一旦予約を受けると滞在期間中、オーナーは小旅行すら出かけられません。ホテルと違いオーナーへの直接予約だからダブルブッキングなんてないし無責任な対応もありません。仕事というよりも趣味でやっている人が多いからでしょう。人が好き、お世話が好きというオーナーが多いですから。
ホテルのように人任せではないからやる事一杯で大変です。利益を生む仕事ではないのは明らか。だから予約時に返金無しのデポジットを徴収します。その額は1泊分から総額の30%まで、残金は到着1週間前から到着後と様々。予約後にキャンセルした場合全額没収というのもシャンブル・ドットならではのこと。
ホテルなら宿泊してない分については返金ですが、ここは違います。キャンセルされてもすぐ次が入る、当日客もありうるホテルでは返金しても損害がないのに対しCDHの場合、キャンセルは金銭的、時間的な損害は大きいです。手配を手伝っていていつもそう思います。くたびれ儲けだったと。だから申し込む前にホテルとCDHとの違い、利点、マイナス点を理解しておく必要があります。
夢路とみこ
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最近シャンブル・ドットへの宿泊依頼が増えてきました。それは多分、ガイド本やサイトで紹介される機会が増えてきたので認知度が高くなってきたからでしょう。パリだけでも100件以上あるのに旅行会社での取り扱いが殆どない理由はたぶん業務としての利益が薄い、手配する側としては骨折り損のくたびれ儲け的なものだからだと思います。それは私も手配しながら良く思うこと。
これだけ時間をかけて手配しても手数料としてもらえるのは日本円で1000円程度。でも、手配するための電話、ネット利用、メール回答に受け入れ先家庭への訪問にかかる時間給を考えると、手配する事がかなり赤字になることばかり。なんでそこまでしてこれをするのかというと、私自身がシャンブル・ドットが好きだから。旅行していてこれほど面白い宿泊先はない、オーナーの趣味嗜好が家庭に現れている。
昔泊まったロレーヌ地方のオーナーは「発明オタク」特許も取っているけどなかなか売れない便利グッズを作っていた。「発明オタク」になる前は庭師だったという。彼のお宅のお庭もさすが庭師だけあって素晴らしかった。自然を愛し、自然に生きている人で朝食に出してくれたパンは自分で挽いた粉で焼いたパンだった。
南ブルゴーニュの農家のオーナーは食卓に出してくれたものは全て自分の菜園、家畜で作った料理だった。シャロレー牛をなでなでして写真もたっぷり撮って、夕飯にブフブルギニヨン(牛肉の赤ワイン煮)に舌鼓を打ったのはなんて残酷な私。でも付け合わせにでた人参の甘さには感動すら覚えました。チーズ以外は全て手作りとか。
パリのシャンブル・ドットのオーナー達にも驚かされます。とあるお宅はまるで忍者屋敷。外から見るとよくある素敵なオスマン様式。中へ入ったらそれはアパルトマンというよりもまるで1軒家。隠しドアじゃないんでしょうけど、アムスのアンネ・フランクの家を思い出すような、意外な場所に部屋があるわあるわ。
そうかと思えば、パリの中心街にあるお宅は完全に1軒家。アパルトマンの裏庭にあるから外からはこんな大きな1軒家が後ろに控えてるなんて全く気づかない。画家のマダムの趣味なのか、お庭がとても綺麗。テラスもあり外で買ってきたものをここで食べても良いらしい。駅周辺には美味しいパン屋とお惣菜屋とワイン屋があった。ホテルとは違う体験が出来る、フランスの一般家庭が垣間見れる、それがシャンブル・ドットです。
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