パリで家庭料理を学ぶと言っても日本とフランスでは食材が違うんだし、フランス国内でも大都市パリと地方では集まる食材も違います。それは日本でも都心に住むのと地方で住むのとではやっぱり違いがあります。日本で外国製品を購入しようと思うと関東ならやっぱり麻布インターナショナル、成城石井、紀伊国屋まで行かないとなかなか揃わない。フランスでも同じこと。ディジョンに住んでいたころ、テキサスでよく作っていたペカンパイを大好きなあの人に作ってあげようと思っても、このパイに必要な材料のモラサスシロップが売ってない、パリのボンマルシェのグルメ館まで行かないと買えないのよ、と泣いたことは何度も。
マダムの料理教室はこれといった固定メニューではなく、その季節、その日の食材の仕入れ状況で何を作るかが決まるよう。だからレシピもなく、マダムからその場で本番ぶっつけで教えられるものを体感で覚えるという料理教室のようです。
シャンブル・ドットでも一部のお宅では料理教室が出来ますが、それは宿泊者を対象にしているので外部からの申し込みは難しいですが、マダム・ミリアムは料理だけを受講する人を対象にしているので申し込み安いのは確か。シャンブル・ドットでのお料理はやはりそのお宅のマダムやムッシュの出身地の郷土料理を中心に教わります。やっぱり得意料理ですからね。パリでの滞在を料理教室尽くしでいろいろ経験して見たい人には、シャンブル・ドットに泊まってそこで郷土料理風の家庭料理、マダム・ミリアムのところでお洒落でフランスのエスプリにあふれるモダンな家庭料理、マダム・マルティーヌのフォアグラ教室、そしてコルドンブルーのような本格的なフレンチと組み合わせた包括的な料理滞在というのはどうでしょうか。
マダム・ミリアムの料理教室を見学していて、この日の料理はモロッコなどのイスラム文化の国々でよく食べられている家庭料理を紹介していましたが、フランスはヨーロッパにおいてイスラム教徒が人口の半分近くを持つ国です、伝統的なフランス料理の中のちょっとイスラミックな味付けは入りこの国の美食に新しい一面を発見するでしょう。また、マダムは調理のヒントを惜しげもなく教えてくれるので、そこだけでもかなりのお勉強でした。
こちらもご参考にどうぞ
http://blogs.yahoo.co.jp/beaucaillou7/51512922.html
夢路とみこ
[274]パリで知る日本(2)
先日いつも手配している12区のシャンブル・ドット、シャナ夫妻のお宅に伺ったら、テーブルの上に折り紙で作った手毬が置いてあり、どうしてそれがあるのかを聞いたら最近宿泊したアメリカからの日本人家族がご夫妻への感謝の気持ちを込めて折ってくれたらしい。すばらしいチップ(感謝の気持ち)だと思いました。
シャンブル・ドットの場合、ホテルと違いチップという訳には行かないので、大抵の人は日本から民芸品や装飾品、葉書などを持参してくれているようですが、こうやってその場で折り紙などを折ってあげるのも嬉しい案だと思います。
こちらのマダム・シャナもそうですが、お料理好きはテーブルコーティネートも上手い。市販のリネンやキッチン用具を自分風にアレンジしてテーブルを飾るところは、さすが芸術の国フランスを感じさせる。このエスプリはどこから来るんだろうか、天然ものなんだもの。そのコーディネートに折り紙で作ったお花や動物があると更に楽しいと思いませんか。
私の周囲には日本へ赴任したご主人に伴った人が結構いて、彼女達は日本赴任中殆どの時間を「お稽古事」に費やしていて「生け花」「茶道」「折り紙」に関しては日本人並にすごい人がいます。お稽古事に「和食」がないのはやはり帰国した後の食材探しが難しいのと、「和食」が必ずしも皆さんの舌に合うとは限らないからでしょうか。シャナ夫妻なんてこれだけ日本人が多く宿泊していても、やっぱりムッシュは和食や和菓子は全くダメ。フランスの物以外はなかなか受け付けないとご自身も言っている位ですから。それは在仏日本人も同じ事で、一食は和食にしないと元気が出ない人もいますしね。雑食の私とは違う。
折り紙、折れたら素晴らしいと思います。殆ど道具を必要としない身軽にどこでも持ってゆけて披露できる日本の文化。そしてそれはテーブル・コーディネートやグリーティングカードに貼り付けたりして実用的でもあるから尚よろしい。パリ11区にあるエスパス・ジャポンでは定期的に「折り紙教室」を開催していて親子で学びに来る人も多いけど、一人で参加する外国人もいます。この前、参加して、あまりの不器用さに隣に座ったフランス人が面倒見てくれました。気軽に参加できるので、それを心づけとしてチップに添えて差し上げると喜ばれるのではないでしょうか。
エスパス・ジャポン
http://www.espacejapon.com/
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