その独特の味(シェリーともウイスキーとも取れる)からのせいか、日本ではあまり馴染みのないヴァンジョーヌ、黄色いワイン。このワインを代表とするジュラワインの中心地アルボワはブルゴーニュワインの中心地、ボーヌに匹敵する位に町中にワイン関係の店が続き試飲出来るカーブも多々とあり。
ボーヌの場合はプチトランがあってそれに乗れば城壁の外にある葡萄畑を見れるけれど、ここではプチトランもなければ畑もそう近くない。中心のリベルテ広場からGrand Rue沿いに歩けば山肌に栽培されている葡萄畑が見えてちょっとしたパノラマ。
アルボア駅は無人だし、駅付近にも民家が数件(でも花で飾られていてとても綺麗)。だからこんなところがジュラワインの中心地かなと意気消沈するのはまだ早い。Centre Villeの看板を見ながら徒歩15分で町の中心地。途中、パスツールの家を通ります。ワクチンを作った名医の血液学者の彼は葡萄が腐り御酢になるのを防ぐ醸造方を考え出したワインにとっても名医。彼が生まれたのは同じフランシュ・コンテ地方のドール、でも育ったのはこのアルボア。彼はきっとジュラワインの一番の愛飲家で理解者だったのでしょう。
[007]ジュラのワイン祭り-黄色いワインLA PERCEE DU VIN JAUNE
毎年2月第1週末は黄色いワインで知られるジュラのLA PERCEE DU VIN JAUNE祭りがあります。ジュラワインは他の地方ワインと違いとてもクセのあるワインです。その代表的なものがシャトーシャロンと言われるワインです。出荷までに6年3ヶ月以上も熟成させる事やサヴァニヤン種の持つ香りや味わいが独特なワインを作ります。
私個人の印象ではウィスキーのような香りがあると思っています。とても男性的なワインです。シャトーシャロンは高級過ぎてあまり飲んだ事がありませんが、一般的なレベルの黄色いワイン、VIN JAUNEは時々飲みます。
このお祭りはジュラ県の中で毎年開催地が変わります。会場は葡萄畑を見渡せる生産者の村、今年は65件が参加。ワインのほかには地元の絵描きや木工作家の展示即売会があります。村のフォークダンスを見たり民謡を聞いたりと2月でも熱気に溢れています。ジュラのワイン生産者の村景色はブルゴーニュとちょっと違いそれも一つの楽しみです。
このお祭りで味わえるワインは、黄色いワインの他、藁のワインVIN DE PAILLE、藁の中で発酵させてから醸造するというこの地方独特の生産法のものやクレマン(スーパークリング)を味わえます。もちろん赤ワインもあります。ロゼはプサール種で作っています。
酒豪で特にワイン好きの私ですがここに来るまで黄色いワインなんて全く知らずそれほど日本には馴染みの薄いワインです。また飲み慣れないとその独特さに引いてしまうでしょうが、慣れると止みつきになるという美味しさがあります。会場で出ている屋台も全てがジュラ特産品。おつまみのチーズはコンテやモルビエール、蒸かしたジャガイモとモンベリアール産ソーセージにモンドールやカンクロヨットチーズをつけて食べると黄色いワインの美味しさが炸裂します。また日曜日3時からは郷土料理教室も開催されるので楽しみです。