私は運河クルーズが大好き。運河は潮流がないので船に乗っても静かに漂うように進むから。座っているだけで景色が動いてくれるから。ワイングラスを片手に観光が出来るから。運河は幅が狭いので横を別の船が通っても殆ど揺れないから。沈没しそうになったらデッキからすぐに陸上に飛び乗れるから。運河沿いにはサイクリングロードがあって自転車でも徒歩でも船に並んで進めるから、と運河クルーズの魅力を語りだしたらワインについて語るのと同じで話が尽きません。
パリはどんな風に観光手段を選んでも楽しい。オープンエアの2階建てバスも良い。市内循環バスも捨てたもんじゃない。狭いモンマルトルの路地を「そこどけ、そこどけ」というように疾走するプチトランだって気に入っている。セーヌ川にまるで東名高速道路のような渋滞を招いているバトームーシュやバトータクシーだってパリをあらゆる角度から見せてくれる。でも、そんな中でもやっぱり私のお気に入り観光手段はサン・マルタン運河のクルーズ。
[126]ディジョン海岸
2000年からセーヌ川沿いで始まったパリ・プラージュ(パリ海岸)を見て、河岸が一気にサン・トロペになってちょっと素敵!と思っていたら今年はこっちもディジョン・プラージュなるものを始めた。場所はキール湖。ディジョンの市長、聖職者、法律家でそしてあの名カクテル「キール」を考案したキール市長さんの立案で1964年に出来、今年の40周年を祝っての事らしい。
この湖、人口貯水池で長さ1500メートル、幅300メートル。フランスでもこんなに内陸部なのに運河があり市内に湖があるということはちょっとした感動。ここは結構水に縁のある所です。キール湖の傍にはセーヌ川の支流のウーシュ川が流れその隣はブルゴーニュ運河。運河はたいてい川の傍に敷かれています。河川が氾濫したり、旱魃にあったときに運河で水を調整するためだそうです。そしてそのブルゴーニュ運河、ディジョンを挟んで北は北海、南は地中海まで水路でフランスを横断しています。それを記念してディジョンの運河公園にはオベリスク(何でオベリスクなのか私には?ですが)が建っています。船をイギリスのネローボート位にすれば船でフランス一周も不可能ではありません。