2軒目の同居生活は4ヶ月間。この家は70代になる老人と30代の女性との奇妙な3人暮らし。この彼女と私はすぐに親しくなり、二人でバリケードを組んで、そして4ヶ月後にこの家を出てゆくということになりました。
いやぁ?この家でびっくりしたのは、この70代の彼のお盛んなこと。ネットでハントした女性が変わるがわるにこの家に滞在し、はるか遠い外国からもお見えに。女性たちはネットと電話だけでのお付き合いだからパリに来て対面したのが、巨漢で不衛生な老人であることに度肝を抜かれ2、3日で退去しましたが。それでも追う男と「パリ」という場所に魅せられて現実を知らずに来る女性の数々。
でこれって、留学前にネットで相手を見つけてパリに到着するなり暫定彼のところに転がり込んで、次の彼が見つかるか、その彼に追い出されるまで住み着いているという最近の若い留学生の女の子たちに共通するものがあるような気がします。ただ、この場合、暫定だった彼と暮らすうちに本気になって結婚するケースもあれば、一緒に暮らした途端に彼が豹変して暴力的になったり、マザコンぶりを発揮したり、彼女のつながりでほかの日本人を知るようになり浮気症大全開というのも聞く。
部外者の私と彼女は奇妙な4人生活をしていました。しかし、年金生活のおじいちゃんのハント生活に経費がかかりすぎ、入居者私たち二人に家賃の前払いを頻繁に要求するようになり、同じ同居人の彼女の部屋には無断で入るなどのトラブルが。おまけに共同使用のキッチンやトイレ、シャワーはいつも汚す、二人が掃除しても週一のお掃除の人が来てもいたちごっこ。彼女も私も仕事から戻ってくたくたの中、話し合いに挑んだが暖簾に腕押し。
そこを出てしばらくしたある日、友人とその奇妙なおじいちゃんの話をしていたら。彼女が「そのおじさん、知ってる、何年か前に私の知り合いの女性もそこに住んでいて2ヶ月で出て行ったわよ」と。これに類似する話は他にもあり、とある初老男性は格安の家賃で日本人女子留学生をハントしている人もいる。憧れのパリに少しでも長くいるため家賃が安くなるなら、という合意の元にそういう関係になる人も少なくはないらしいけど。同性との同居はお手伝いさん代わり、家族のところはベビーシッター代わり、異性は愛人代わり。。。いろいろな結果があるという事も危惧すべき点かもしれません。
夢路とみこ
[261]シャンゼリゼでごはん(1)
パリの銀座とも呼べるシャンゼリゼは高級なブティークやお洒落で人気のある商品が並ぶから、カフェでお茶するにもやっぱり高くつくのは仕方が無いということ。この通りに面するレストランは一部のチェーンレストランやピザ屋を除けば、だいたいが高い。グラビアの撮影や有名人が利用するようなブラッスリーもある場所、そしてパリ観光客には外せない一画ですから。
私が今勤務する複数の会社の一つがこのシャンゼリゼにあり、ランチをする場所を探すのは最近の楽しみ。シャンゼリゼも一つ横道に入れば気軽でお手頃なレストランもあるしファーストフードでもそれなりに美味しいところが幾つかあるんですよ。
特にルイ・ヴィトンの本社反対側にあるスウォッチのお店の隣から入るRue Washingtonワシントン通りは、知る人ぞしるレストラン界隈。シャンゼリゼで買い物、ウィンドーショッピングの後で食事をするなら、または有名キャバレー、リドーのショーを観る前に軽く食事をするならばお勧めの店が幾つもあります。ここの通りは穴場。
たとえば、レストランニュージェットセット、ジェットセットとは専用のジェット機で世界を遊びのために飛び回るお金持ち、それをするセレブをジェットセッターと呼びます。名前だけ聞くと「ださい」と思いますが、でも店内はシック。それなりの品格のある店なのになんでこんな田舎の成金趣味の名前を付けたのかが不思議。オーナーの趣味なんでしょうか。ここはフランス料理ではなくイラン料理、オリエンタル料理です。
店内は赤がテーマなのか椅子の革張り、壁のビロード生地など赤で決めています。テーブルにはリネンのクロス、その上に紙のテーブルマット(ここはダサい)。サービスがきびきびとしていてフレンドリーなのは嬉しい。定食メニューは昼も夜も16.90ユーロはあっぱれ。前菜とメインとデザートかデザートの代りにグラスワインという組み合わせ。日本人の口には合うんだと思いますここの料理は。野菜料理も豊富。
たまにですが、店の外にあるテラス席では水パイプをたしなむお客さんもいて、これをみているとここはパリかテヘランか、というエキゾチックさを感じます。水パイプって甘い香りがするんですよ、近くの席で食事していたらその香りが伝わってきてちと迷惑。
New Jet Set
14 rue Washington 75008 Paris
tel 01 45 61 00 70
夢路とみこ
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