ディジョンからローカル線で1時間強にあるフランシュ・コンテ地方はフランスというよりもスイスのよう。すぐ隣がスイスでこの付近に住む人は国際線の飛行機に乗る時はパリよりもむしろ越境してジュネーブ空港へ行くというもの頷ける。首都ブザンソンの駅前にある花時計はジュネーブの英国庭園内にあるそれにそっくり。また町並みもジュネーブやローザンヌのよう。
フランスにありながら歴史に翻弄されて外国領土になったり言語を変えられたという点では、アルザス・ロレーヌ地方が有名だけどここよりも先に翻弄されたのはこのフランシュ・コンテでした。ここはスペイン領だった事もあるしスイス、ドイツになったこともあり。スペインというのは意外や意外。でもブザンソン市街にある古い建物にはスペインの雰囲気を漂わせるお洒落なものが幾つもあり納得。南仏ほどに暑くもないのに広々としたテラスカフェが広場にあるのはやっぱりラテンの名残りかな。
[080]ダルシー公園
その昔ディジョンには6つの門があったと言われます。そして大公宮殿前にあるリベラシオン(開放)広場にはルイ14世紀が騎乗した銅像があったそう。でもそれらはフランス革命やその後の戦争によって破壊され唯一残ったのが観光局付近にあるギョーム門のみらしい。
そのギョーム門がディジョンの表玄関とするならば、そのすぐ傍にあるダルシー公園は玄関先の庭という所でしょうか。さすがブルゴーニュの首都ディジョンの表玄関というだけあって立派なもの。駅前のロータリーを玄関とは思わないで下さい。大豪邸というものはいつも奥まで入らないと玄関は見えないものです。
この公園の魅力はまず入り口から見える美しい泉です。写真を撮るなら是非ここを背景にして。ニームにあるフォンテーヌ庭園のミニ版のようなもの。また入り口傍にある北極熊の象がほんわかしてかわゆいのですが、これはソーリュー(先日亡くなられたミッシュラン3つ星シェフ、ロワゾーさんの店がある村)出身のポンポンの作品。作者の名前もほんわかしていますが、ポンポンって誰って感じですか。ポンポンの作品はパリ、オルセーにもありこれも入り口付近。ライオン像です。彼は獣医大学の解剖室でデッサンを執り動物の特徴を学んだそうです。