観光関係の仕事をしていると、接客のみならず仕事仲間にもゲイのつながりが出来てきます。特にパリのシャンブル・ドットのオーナー達の中にはゲイカップルも数件あり、日本人以外の観光客にはかなり受けていて予約が取り難いお宅もあります。
ゲイカップルのお宅に泊まるお客様は必ずしもゲイではありません。普通の人も泊まり、そのフレンドリーなサービスとハイセンスなお宅という事からリピーターがかなり多いようです。ゲイカップルのお宅は取り分けお洒落なお宅が多い。センスも良いのですが、ちょこちょことした調度品にこだわっているというか、芸術家にゲイが多いのはなんとなく納得です。
私も海外に住むようになるまでは、他の人と同様でゲイに対する偏見はありました。レズの友達なんか作ったら自分も襲われるんじゃないかって。でも、レズのカップルと同居して分ったのは、それは普通の男女の関係と一緒で、興味のない相手には普通以上の態度を示さないこと。ホモの友達を持ってみて分ったのは、彼らは女性の私以上に繊細な感性があり、人の振り見て我振り直せじゃないけど、女らしい仕草、行動を反省させられる事が多いこと。
センスも良いし人気もあるんで、中には料理が得意で料理教室さえもやってくれるムッシュがシャンブル・ドットのオーナーの中にはいます。フランス料理界は男性社会、バイオリズムが比較的安定しているのが男性だから、味付けにムラがないと聞くだけあって、男性で料理に凝っている人のそれは大変美味しい。そしてゲイカップルになるとインテリアから食器に至るまで女性のように拘る。
ゲイカップルの場合、経済的に余裕のある人が多いので普段の食卓でもスタイリッシュな食器を使っていることも多い。テーブルクロスやナプキンなどのリネンがとっても素敵なのもこの手のお宅。最近はレストランでさえも、中級以上にならないとテーブルクロスやナプキンにリネンを使うことは少なくなって来ています。(クリーニング代が相当掛かりますからね)だからシャンブル・ドットのような一般家庭でビストロのようなこじゃれた雰囲気が味わえるのはやっぱり泊まる価値あり。
パリでまともなホテルに泊まろうと思うと三つ星以上でないと難しい。日本のビジネスホテルのレベルさえない、設備が全く整ってない。場所だって繁華街だと高いかうるさいか。地下鉄まで近くて静かな、安全な場所にあるのがシャンブル・ドットの基本。
夢路とみこ
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