日本に出張に行った。いつもなら日本のTGV、東京―大阪間の移動は新幹線を利用する。でも今回は高速バスを使ってみた。何と時間の有効利用になるものかととても感心した。新幹線の場合、TGV と一緒で席がなくても切符は売る。新幹線の「自由席」というのは空いてれば座れるよ、でTGV のDISPONIBLEもそう、指定は完売だけど運良く乗り忘れなどで席が空いたら座れるよ、でもなかったらずっと車両口で立ってなさいという意味。バスは違う。全席指定でそれ以上売らないし、リクライニングもかなり深いので快眠だ。夜に出ると朝には目的地到着。日本の場合、駅の傍にネットカフェがありシャワーの利用も出来るしネットでの時間つぶしも出来る。フランスならバスターミナルにカフェがあり、朝からビールやワインで赤鼻おやじがわいわいやっているのを見るのも結構楽しい時間潰しとなる。
[153]プライド高すぎません?
私がその昔、香港勤務を契約満期前に放棄した最大の理由が「食事が合わない」こと。海外就職に憧れる人からするとなんと幼稚でなんと贅沢なそしてけしからん理由だと帰国後によく言われました。私にとって「食生活」とは犯しがたい牙城。これがまず生活の基本であり、これを犠牲にしてまで叶えたい願いは全くなし。いつも美食でなくても良い、でも好きなものに囲まれて暮らしていたいというのが正直なところ。
私の舌が覚えている香港、飲茶以外はみんなあんかけ、気力まであんで覆われてしまった。箸休めにしていた和食は高級料理でパスタは茹で過ぎ。この国にはアルデンテの翻訳がないのかと思うくらい。自由貿易でワインは安いのに見合うフレンチがなかった。とどのつまり、私の舌が覚えている香港は広東料理以外はあまり美味しくなかったということ。
我が美食の里ディジョンにも同様のことが言えつつあると私の舌は証言する。フランス料理ならおふくろの味から三ツ星シェフまでどこをかじっても美味しいのに、フレンチ以外となると美味しいのを探すのに一苦労。つまり、フランス人のプライドがフレンチを凌ぐ美味しい外国料理の店が出るのを阻止しているのではないかと思うほど。