ボルドーから電車で南に50分ほど行くとアルカッションという湾岸の町があります。ジロンド入江にあるポワント・ド・グラーヴからバイヨンヌに続く長い海岸沿いをラ・コート・ダルジャン(銀色海岸)と呼びます。アルカッションはこの海岸沿いに出来たアルカッション湾の町。牡蠣の養殖が盛んな町です。
牡蠣と言えばこちらではノルマンディー産の細長いのやマレンヌと呼ばれる少し丸い形をした牡蠣は良く見かけるし、食べます。でもアルカッションの牡蠣は食べたことがないのでただその理由だけでこの町を訪問。感想は、ノルマンディーの高級リゾートをうーんと小さくした感じです。もっと庶民的というか中級リゾートというべきか。多分夏になるとフランス各地からフランス人が避暑に来るところで、アメリカ人や日本人がバスで押し寄せるようなそんな華やかなところではなさそう。
駅からCentre中心街と書いてある標識をみながらこじゃれた商店街やブラッスリーを抜けて行くこと15分、アルカッション湾に出ます。とても大きいので一見海のよう。たくさんのヨットが浮かんでいて頭にすぐ浮かんだのが森山良子の「この広い野原いっぱい」という名曲の歌詞の一節。「この広い海いっぱい咲く船を。。。。」のあの部分。あの歌を大声で歌いたくなる気分にさせるくらいにその歌詞どうりの光景が目の前に両眼に入りきれないくらい広がります。
[075]トゥーレーヌワイン白書
フランスでワインを産出するところならどこでもあるのがワイン博物館。ワインの知名度、生産量を問わずに「オラが村のワイン自慢」というやつは治まらない。パリだって今ではもうモンマルトルの丘にロマネコンティの畑よりも小さい畑でしか栽培していないのに16区パッシーにはしっかりと「ワイン博物館」なるものが存在する。
パリのそれはちとイマイチのような気がするけれど、トゥールにあるワイン博物館はわが、ブルゴーニュ地方ボーヌにあるものにも負けてない。というよりもボーヌとは違った感じでこれもまた面白い。
チリやオーストラリアの新大陸ワインがお手ごろで手に入るようになったことやワインの健康促進が益々ワイン人口を増やしワインを目的とした旅行者も多くなっているようで。カーブ巡りもかなり定着して来ました。ワインは奥が深いと言うけれどその奥深さを理解するには飲むことだけでなく、ワインと人々の関係、ワインがいかに人々の生活に密着したものであるか、文化となっているかをもっと知ってもらいたい。