[141]銘醸街道カーブ巡り(1)

秋から来年の春にかけて船のシーズンが終わると私の仕事も少しは余裕が出てきて週末も自分の為の時間が出来ます。冬の楽しみはワイン祭り、友人達とテーブルを囲んでワインを思う存分楽しむこと。この時とばかり張り切ってワインの買出しに出かける。造り手もこの時期は忙しくないから喜んで迎えてくれる。
ディジョンからバスでも行けるFIXIN(フィッサン)村はジュヴレイ・シャンベルタンの手前の村。ここには日曜日でも見学試飲が可能なワイナリーがあり格好の週末カーブ巡りとなります。私の愛用しているワインのミッシュラン本みたいなアシェットのワインガイドにも紹介されているジョリエ・ペール・エ・フィスのカーブは圧巻です。この村のプルミエ・クリュの畑でも、このワイナリーが独占で作っているクロ・ド・ラ・ペリエールは最高と記述されているけど、この記述は嘘でなかった。私はソムリエでないし、ワイン専門家でもないから味については人それぞれの好みもあるだろうからここで薀蓄を言いませんが、わざわざブルゴーニュまでワインを飲みに来たならここへ寄ってよ!と一言言いたい。

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[140]ようこそ日本へその5

海外出版の日本ガイド本に紹介されている日本の料理は「すき焼き」「しゃぶしゃぶ」「江戸前寿司」とどの本も似たり寄ったり。これじゃあ「フジヤマ」「ゲイシャ」の時代から何の進歩もないような。日本出版のフランスのガイド本だって今では「クロック・ムッシュ」や「ウフ・アン・ムーレット」のような庶民が普段食べる、そして店でも一人前で注文できるものを紹介しているのにね。
私ならこう来る。まずは「立ち食い蕎麦」これには高度成長時代の日本の社会の昼食を「早く、安く、健康的」に支えた貴重な一品だから。そして居酒屋、特に紹介したいのは西新宿の「思い出横丁」ここは敗戦直後の闇市場がこの界隈に建ち並び、市場で売買した後の人たちの軽食を取る場所として戦後すぐに出来た場所。数年前の火事で一部が焼け再興されたけれど、私の行きつけの店「一富士」は昔ながらの佇まいをそのままに残す。ここには古き良き時代、西新宿の「ベルエポック」がそこにある。

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