[114]銘醸街道城巡り(2)

日曜日の朝ディジョン11時10分発郊外行きバスに乗る。銘醸街道を下りボーヌから10キロ先にあるムルソー村へと向かう。所要時間90分。バスは村の入り口、11 Novembreに停車するのでディジョンへ帰るときも同じ場所から乗車します。そこからまっすぐ下るように村の中に入ります。丁度、ランチタイムに差し掛かっての到着だから村役場の前の広場に幾つもあるレストランで昼食なんてどうでしょう。すきっ腹の試飲は悪酔いのもと。それにどのカーブもしっかりとランチタイムの休憩は取るので午後開館は大体2時過ぎです。
ブルゴーニュワインの白の代名詞はシャブリですが、高級品となるとやっぱりムルソーが勝ち。同じシャルドネ種の葡萄で作るワインなのに土壌が違うと色も風味もこんなに違うものかと関心させられる。11月に開催される「栄光の3日間」の最終日はこのムルソー村での昼食会だが、これはかなりステータスの高いイベントで業者の人でもなかなか中に入れないというタイソウなものらしい。では観光客がムルソー村のワインを楽しむにはどこへ行けばよいか。ではではシャトー・ド・ムルソーへどうぞ。

シャトー・ド・ムルソーは外観からしてもエレガントなシャトーです。15ユーロで試飲用グラスを買い館内を見学しながら試飲します。シャトー内にはベルナール・デュブッフの作品を中心に素晴らしい絵画コレクションが展覧されています。これは常設展でときどきバカラクリスタルの特別展などもあったりするのでその美術展もここを訪れる一つの楽しみの理由。絵画を眺めながら進むとビデオコーナーがあり、シャトー・ド・ムルソーと所有する畑とそのワインについての紹介ビデオが仏語版と英語版と2回に分けて10分程度の上映があります。そうこうしているうちにだいたい1時間が過ぎて、お目当てのワインを探しに地下へ進む。
地下のセラーには樽がズラリと並び樽にまで気品を感じるのは私だけ?ムルソーのワインは辛口で香りが高く高貴な感じがします。フランスにあってもお値段がやっぱり高いのでシャトー見学試飲は大酒飲みの私には願ったりかなったりのチャンス。天気の良い日はシャトー内の庭を散歩する、またはバス停までの道のりに日曜日でも見学試飲が出来るカーブがいくつかあるのでそれに寄って見るのも良し。
ディジョンに戻るバスがこの村を通過するのは午後6時過ぎ。ディジョンに着くのは7時30分頃。日曜日の観光としてはおあつらえ向きなのでは?
シャトー・ド・ムルソー
http://www.meursault.com/meursault

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[113]にわかブルギニヨン体験

アメリカでテキサス人が「私はアメリカ人である前にテキサス人です。」と言うのを良く聞いた。これは良くも悪くもこの州の人を良く表している言葉だった。南部人のプライドの高さと情熱的な所を表す半面よそ者を中々受け入れない厳しさを込めた表現だった気がする。人種の坩堝でフレンドリーさにかけては米国随一と思うのはやはりカリフォルニア。さて我フランスではというと、このブルゴーニュがテキサス、プロヴァンスがカリフォルニアのような気がます。
新天地での生活は誰にとっても難しいもの。異文化の中、外国語生活のストレスはエンドレス。でも、異文化と外国語を一気に短期間で味わうならばやっぱりホームステイが一番。私のディジョン生活もホームステイでスタート。私のステイ先は料理上手なマダムの家。買い物にはよくお供をしてマダムご用達のチーズやお惣菜の美味しい店知ったので今は私も常連客。うちの船のシェフがニンマリとするくらいに私がフランスの食材や調理法についてちょっと知識があるのもマダムのお陰。山歩きとちょっとしたお出かけが好きなマダムとは現在でも時々一緒に出かけています。

ホームステイ先には様々なものがありいつもいつも快適とは言えません。ホームステイと言いながらもただの貸し部屋で家族とは挨拶程度しか交わさないところや、食事付きと言いながらも缶詰、冷凍食品はたまたチンしたものだけというのも珍しくありません。入居したら同じ家に日本人が4人もいたとか。私のように毎日美味しいものを頂き、ワインは好きなだけ飲ませてもらい、テレビが大好きな私のためにドラマ解説からクイズ番組には辞書を持って付き合ってくれるマダムは好奇心旺盛で珍しい。私の場合、予算が破産するくらいにワインを飲みまくりました。私が入居してしばらくするとマダムが毎月ワイナリーに30リットル樽を買いに行った事実は笑い話のひとつにもなるほどに。
フランスをこよなく愛する人を「ココリコ」と呼びますが、彼女は「ココリコ」の上に「ブルギニヨンヌ」。フランスをもっと広く、そして深く知ってもらいたいというのが彼女の願い。だから閉鎖的なブルゴーニュにあって彼らの日常を垣間見るのならホームステイはひとつの手段。マダムは3日間滞在からの「プチホームステイ」(朝食、夕食付きで3泊180ユーロ)もOKなのでディジョン観光の際、にわかブルギニヨン体験はどうですか?
マダムへの問い合わせ窓口(日本語可): Burgundychary@aol.com

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