[136]夢は叶えるためにあるもの

突然解雇されてから4ヵ月後近く、労働許可証が切れる直前に滑り込みセーフで再就職にこじつけた。再就職先は前の会社のライバル船会社。紹介してくれたのは前の会社の副社長。船が好きでブルゴーニュが好きで、アル中でも船の沈没で死んでも良いからここで船の仕事がしたいと言うことを知っていた彼は、私から船を、ブルゴーニュを取り上げたらただの「おばちゃん」になってしまうことを危惧してくれたようだ。
解雇直後、「とみこはこれからどうするんだ。日本にはもう帰る場所ないんだろう?」と心配してくれた。そう、両親が他界して、持ち家を処分してスーツケース一つでディジョンに来た。ここで自分の人生を形成するつもりでやってきた。だから毎年帰国しても帰る家がないからホテル泊まり。日本は故郷であっても故郷でなくなりつつある。だから意地でもこのディジョンに居座らなければ。運河と葡萄畑が心の拠り所。
副社長がライバル会社に電話してくれた。「もう知っての通りうちの会社買収されてね、米国以外の市場には船を卸さないんだよ。でね、日本市場担当している者も解雇されたんだ。お宅は日本市場興味ないかね。」と。電話先の相手は再就職先のブルゴーニュ支社支社長のところ。この会社も実は米国資本の会社で本社はボストン近郊のプリモス。本社でマーケティングを行い、ブルゴーニュは船の運営のみ。ここも米国市場以外は全く手をつけていないというクルーズ業界お決まりの米国市場中心型。

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[134]バッハから。。。。その2

私の大好きなブルゴーニュワインは何と言ってもジュヴレイ・シャンベルタン。その理由はブルゴーニュワインでありながらボルドーワインのような骨格と重みを感じれるから。ブルゴーニュワインの特徴と言われる野生的な香りもこのワインに感じられないのが私好みなんです。シャンベルタンにはグラン・クリュ(特級畑)があるけれど、ジュヴレイ・シャンベルタンはプルミエ・クリュ(第1級畑)まで。でもそれも良い。更に上を目指せる余裕があるから。
ジュヴレイ・シャンベルタンにぴったりのチーズは「アミ・デュ・シャンベルタン」というウォッシュタイプのチーズ。その昔、この村に住んでいたワイン農家のオヤジが自分の作るジュヴレイ・シャンベルタンを美味しくするチーズはないものか自ら考案して作ったチーズらしいけど。その名、「シャンベルタンの友」というだけあってジュヴレイ・シャンベルタンを最高に魅力的にするチーズです。チーズは食べる30分前以上に冷蔵庫から出すと室温で溶け出して美味しいのですが、ウォッシュ・タイプのこれはやはり1時間前に出して流れ出るようにとろけ出した所をワインでググーとやりたいもの。

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