[256]ゲイフレンドリー(1)

「ゲイ」と書くとその意味は同性愛者のみに限定されがちですが、これには「明るい、陽気」という「フレンドリー」を意味する言葉もあるという事を私たちは見逃している気がしませんか。
私の大学時代の親友7名のうちの一人はホモ。ルームシェアをしていた友人達はレズのカップル。どちらも「フレンドリー」という意味においては軍を抜いていました。情に篤いという事も20年以上たった今でも忘れる事は出来ません。
パリに来てから2年。マレ地区にはゲイのコミュニティーが存在し、観光名物の一つとなっている毎年7月のゲイパレードは楽しみの一つです。パリ市長もゲイだし、古くを言えばレオナルド・ダヴィンチだって、ルイ14世もそうだったらしい。(しかし、太陽王は公的に認知している子供が300人以上というから完全なる倍セクシュアルだったようですが)
私が勤務するクルーズ会社もゲイクルーズはあり、クルーによればそれはとても楽しい華やかなクルーズだそうです。アメリカなんてゲイマーケットと呼ばれるこの市場を対象とした商品戦略が確立していて社会的認知度も高い。最近では、ゲイの結婚も可能になった事で養子縁組も増えてきたものの、それでもゲイカップルの大半がまだまだDINKS(2箇所からの収入、子供なし)だから購買力も消費力もすごく、またそのレベルも高い。
ギリシアの哲学者や有名ロック歌手に代表されるようにゲイはインテリ層が多いというのも確か。そのせいでしょうかね、フランス占領時において、ドイツナチはホモセクシュアルを強制収容所へ送り込み、頭脳解剖などの人体実験をしたという忌まわしい過去があり、その事はやっと2000年になって認知され、フランスでは賠償請求が始まったばかりです。ドイツナチのホモセクシャルに対する扱いは、今、テレビドラマや映画になって私達の知る所となりました。ホロコーストの被害者はユダヤ人、政治犯のみならず、数多くのゲイという事だったようです。
今日の私の周囲にもゲイは何人かいて、彼らは大学時代のゲイの友達と同じ様にフレンドリーで情に篤く、何よりもハイセンスな所がとても気に入っています。教養が高いので、話をしていても多方面に渡る彼らの知識は私を刺激し伸ばしてくれます。
夢路とみこ
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