今年も到来この解禁日。最近は80年代ほどの騒ぎでないと聞くけれど私にとってこの祭りは日本の元旦、米国の感謝祭と同様。ヌーボーはワインじゃないと馬鹿にする人もいる中、旬の物を頂く楽しみは感性を磨いてくれはず。
ヌーボーの日、友人と二人映画「アメリ」もどきの地元臭ぷんぷんのブラッスリーへ向かう。ヌーボーを飲むにはおあつらえの場所。ここはやっぱりジモティに囲まれがやがや飲むべし。私達は本日の一品とチーズを注文。値段は3.10ユーロなのにポワッス、ヴェルジェイ村の灰のチーズ、カマンベール、ロックフォールと4種類もあり、食べるのに最適な解け具合で出て来た。ブラッスリー程度でこんなサービスは中々ない。笑顔にプラスしたお店の人達の暖かさが良く伝わる。去年は猛暑で収穫量が少なく、今年は冷夏で葡萄の出来が悪いからとヌーボーには有難くない悪評がついてしまったが、でも今年もヌーボーはお目見えして、お祭り騒ぎ。寒くて湿気の多い灰色の空しかないこの時期に心弾ませてくれるヌーボー、悪態をついちゃいけないわ。
[127]ワインで村興し【1】
この通信局でも幾度か夏になると「グルメ歩け歩け大会」のようなワインと郷土料理を掛け合わせて楽しむハイキングのようなイベントがあることはご紹介済みですが、この手のイベントはワインの造り手のプロモーションになるだけではなく村興しにもなるという事で最近は新規参入の村が増えて来ているようです。
フランスワインの有名どころと言えばブルゴーニュ、ボルドー、アルザス、ロワール、ランドック、プロヴァンスと大まかに地方が浮かびますが、では、各地方の銘醸ワインの村と言えば、ブルゴーニュならシャブリ、ヴォーヌ・ロマネ、ボルドーならサンジュリアン、サンテミリヨン、ポイヤックとちょっとしたワインファンならここも浮かぶはず。
では、生産量も少なく、大した観光名所にもない、でも素晴らしいワインを造る隠れた銘醸地はどうすれば良い?という事でオラが村のワインをもっと知ってもらうには村まで来て試飲してもらうっさ、と始めたのがブルゴーニュ、ラドワ村のバラードグルマンであり、アルザス、シェールヴィラー村のサンティエールグルマンです。これらの村の成功に学び、ブルゴーニュ地方南部、サントネー村の造り手たちが立ち上がった。