サンティエールが開催されるシェールヴィラー村にも幾つかシャンブル・ドット(B&B)はあるけれど中々予約が取れません。だから私はこの村のすぐ隣にあるセレスタ町のホテル、それもロジ・ド・フランス加盟ホテルに泊まりました。このロジ・ド・フランスなるものはホテル内に美味しい郷土料理を出してくれるレストランがある協会です。味のレベルは煙突マークが示してくれます。最高店は煙突3本。1本でもかなり美味しいですよ。
私が泊まったホテル、ヴァイランは煙突1本。ホテルとしては3つ星。駅からも近いし田舎だから部屋が安くて広くて設備が良くてとありがたい。ここはデミ・ペンション(朝食、夕食付き宿泊)もあるので外に出て食事する元気がない人にはおあつらえ向き。レストランも宿泊客が中心だから地元の酔っ払いやスノッブもいなく、外国人女性の一人旅でも安心でした。
アルザスと言えばシュークルート(酢付けのキャベツの白ワイン煮)だけどやはりここではリースリングワインで作ったソースの魚料理を食べるべし。だってリースリングの本拠地、シェールヴィラー村はすぐ隣だし、シュークルートなら駅構内のビストロでも食べれる。地元産のワインのハーフボトルも充実してますよ。
[024]オランダ その2
船長のリアンに「シーボルトを知ってる?」「ハウステンボスは?」「日本が鎖国していた時代にオランダとの貿易は盛んだったのよ。明治生まれの祖母は私の外国人の友人達を見るといつも『オランダ人』と思っていたくらいなんだから。」とオランダと日本の長い付き合いをアプローチしてみたら、彼は「日本人と接するのは初めてだけど、ヤマハのモーターはとても良い製品。」と言われてしまった。
リアンの言っているヤマハのモーターは「オートバイ」という事ではなく、彼の運転する船、プランセス・ロワヤル号の横をすいすい通る小型モーターボートの事を示していました。私も何度か船のデッキから見ましたが、この水の中の王国、オランダでは水路沿いにボートハウスの多いこと。家族揃って数キロ先のおばあちゃんの家に遊びに行くという人たちが乗っていたボートのモーターもヤマハでした。
私達の船は羊や牛がたむろする田園地帯、艶やかな色がカラフルな絨毯を作るチューリップや水仙の畑、大きな町の繁華街沿いや大型石油タンカー、商業船が隣を走るそんな水路を行きました。永遠と続く緑の牧場に点在する白い牛にただ見とれるばかりのフランス水路に比べ、こちらは走馬灯の様な景色を写真に押さえるのに忙しい限り。