[274]パリで知る日本(2)

先日いつも手配している12区のシャンブル・ドット、シャナ夫妻のお宅に伺ったら、テーブルの上に折り紙で作った手毬が置いてあり、どうしてそれがあるのかを聞いたら最近宿泊したアメリカからの日本人家族がご夫妻への感謝の気持ちを込めて折ってくれたらしい。すばらしいチップ(感謝の気持ち)だと思いました。
シャンブル・ドットの場合、ホテルと違いチップという訳には行かないので、大抵の人は日本から民芸品や装飾品、葉書などを持参してくれているようですが、こうやってその場で折り紙などを折ってあげるのも嬉しい案だと思います。
こちらのマダム・シャナもそうですが、お料理好きはテーブルコーティネートも上手い。市販のリネンやキッチン用具を自分風にアレンジしてテーブルを飾るところは、さすが芸術の国フランスを感じさせる。このエスプリはどこから来るんだろうか、天然ものなんだもの。そのコーディネートに折り紙で作ったお花や動物があると更に楽しいと思いませんか。
私の周囲には日本へ赴任したご主人に伴った人が結構いて、彼女達は日本赴任中殆どの時間を「お稽古事」に費やしていて「生け花」「茶道」「折り紙」に関しては日本人並にすごい人がいます。お稽古事に「和食」がないのはやはり帰国した後の食材探しが難しいのと、「和食」が必ずしも皆さんの舌に合うとは限らないからでしょうか。シャナ夫妻なんてこれだけ日本人が多く宿泊していても、やっぱりムッシュは和食や和菓子は全くダメ。フランスの物以外はなかなか受け付けないとご自身も言っている位ですから。それは在仏日本人も同じ事で、一食は和食にしないと元気が出ない人もいますしね。雑食の私とは違う。
折り紙、折れたら素晴らしいと思います。殆ど道具を必要としない身軽にどこでも持ってゆけて披露できる日本の文化。そしてそれはテーブル・コーディネートやグリーティングカードに貼り付けたりして実用的でもあるから尚よろしい。パリ11区にあるエスパス・ジャポンでは定期的に「折り紙教室」を開催していて親子で学びに来る人も多いけど、一人で参加する外国人もいます。この前、参加して、あまりの不器用さに隣に座ったフランス人が面倒見てくれました。気軽に参加できるので、それを心づけとしてチップに添えて差し上げると喜ばれるのではないでしょうか。
エスパス・ジャポン
http://www.espacejapon.com/
夢路とみこ