素晴らしい芸術作品や珍しいものはパリよりも地方の美術館などの方が多く名作との意外な出会いを求めるなら田舎へ行けというのは本当だと思う。これはブランド品を探すのにも共通するらしい。シャンゼリゼで何時間も行列するよりも地方都市のブティークの方が在庫がたくさんあるようです。
トゥールはパリからTGVで約1時間強。ここは世界でも珍しい芸術品に出会える。わざわざ足を伸ばしてパリから一歩出たフランス芸術観光の価値は大いにあり。
その一つはMusee du Compagnonnage職人の組合博物館。TGVやコンコルド、原発を持つこの国は、ハイテク産業の先端を行く一方でミッシュラン3つ星を獲得するために何年もの修行があったり、人の生き方さえも変えてしまうような素晴らしいワインを造る樽には樽職人の腕次第とデジタルなのかアナログなのかわからない、上手くミックスした国です。それがフランス人の頑固さを作るのでしょうか。頑固とこだわりの職人芸を見るのならこの博物館へ。フランス人ってこんなに器用なんだ、彼らは何事においてもエレガンスとアートを忘れないんだと関心します。
[068]アールヌーボーしてる?
してる、してる、とってもしてると大声で言いたくなるのがナンシー。アールヌーボーとは19世紀に始まった近代芸術のひとつらしく、その土台となっているのが日本の浮世絵らしい。明治維新で日本がその扉を世界に向けて開き文明開化が始まった。昔の人は浮世絵の芸術的価値にうとかったのか、日本から輸出された陶器の包み紙が浮世絵だったとか。草花が生き生きと描かれている絵の中にヒントを得てエミーユ・ガレやルネ・ラリークが産み出したのがアール・ヌーボーらしい。
パリ16区、パッシーにはこのアールヌーボー装飾のアパルトマンが多く立ち並び、写真好きの私には格好の場所。ディジョンも同様です。しかし、パリやディジョンはほんの一部、もちろん目の保養にはなるけれどアールヌーボーを満喫したいのであればやはりナンシーへ。
駅周辺あら市内にかけてとにかく凝った装飾をした建物が多くてアールヌーボーしてる、してる。世界遺産であるスタニスラス広場までは歩いても20分くらい。アールヌーボー建築ウォッチングの為には歩くのがベター。広場の門はやはり指定を受けるだけあり見事なモン(門)。