[276]継続は力なり(7)

ワインを最初に味わったのはフランス留学中の1987年、ローザンヌ勤務中の上司が副職でワイナリー経営していたのでそこで勉強させてもらってからワインに興味が湧くようになり、あれからかれこれ20年。ディジョンにいた5年半は飲んで印象に残ったワインのエチケットを収集しコメントを書いていてそれは1000枚にも達した。パリに来てからは生活を安定させるための仕事に追われ悠長にワインを勉強する暇なんてなしなし。ただ飲むだけ。
最近の仕事は外国人との接客が中心だから英語での業務が主流。今の同居人は英語学習者だから会話は英語のみ。だから貧弱なフランス語がますます使い物にならないものに。仏人から「何いっとるんじゃ!」みたいなことも最近は頻繁に言われるようになって。ディジョンにいた頃は語学学校に通っていたけど、パリではそんな金銭的余裕もなし。ワインを仕事にしている仏人と同居しているけど、ビジネス仏語の表現はもとより肝心なワインの知識が私より劣るからあんまり話にならない。
ときどき学生さんや語学学習者から「どうやったら語学って上達しますか」と聞かれる。定番の回答は二つ。「恋人をその言語の人にすること」と「興味ある分野の本を読むこと」。私の仏語が上達しないのは前者が達成されてない事が明らかなのですが、後者は頑張れる事。ディジョンを含む学生の頃はまじめに小説や政治雑誌を読んだりしてたけど、最近はご無沙汰。これらは読むと数ページで眠くなるし、辞書を引くのも面倒。小説は文法理解なしでは難問、政治は仕組みを知らないとお手上げ。
でも衰えつつある仏語なんとか応急手当しないと。で、料理本を読み漁ってみた。一行が短く完結だから読み易い。しかし、ここに難点が!これらを読むと、作って食べるから仏語の力も付くけれど、お腰のきびだんごも着いてきた。これはやばい、と思い、次なる手で考えたのは「そういえば最近全くワインの本を読んでないな」という事。でも料理本と同じでワインの本を読み出すとワインが欲しくなり、買い込むと給料がなくなるから。
で、落ち着くところはワインのクイズ本でした。これはワインで仏語だから一石二鳥。ワインに関する知識のおさらいと知識、仏語の増長。600問あるこれを全部読破したらこの二つはしっかり身につくような気がする。
Quiz du Vin
Kilien Stengel著
ISBN 978‐2‐10‐050873‐0
夢路とみこ