[262]シャンゼリゼでごはん(2)

パリにある和食屋の中でお客様の層が日本人よりも外国人が多いと、「ちょっとここはどうかな」と思わせる店が多い。しかし、シャンゼリゼにあるこの店、MEIJIはそんな私の中のジンクスを嬉しく裏切ってくれました。シャンゼリゼ大通りからMaison d’Alsaceというアルザス地方観光局とアルザスレストランの横を入るとそこはRue Marbeuf マルブフ通りになります。ここはファッショナブルなブティークが並びMEIJIの看板が見えます。看板の下から奥に入るといかにも西洋人が好きそうな小さな石庭があり、店の玄関をくぐるとヘ?と思うような広々とした店内に続きます。
パリの銀座、シャンゼリゼ界隈でこれだけのスペースを確保できたのは、ここが目抜き通りの大通りではなく、東銀座のようなちょっと離れたところにあるからでしょうか。でも、それにしてもこの店内の広さには驚くばかり。中に入るとお寿司カウンター席と串焼きカウンター席みたいなものがあり、それ以外はテーブル席。それぞれの一画が細かく仕切られているので小宴会には向いています。パーティ好きのフランス人には合うね。
メニューそのものはパリにあるお寿司屋のメニューとほぼ変わりなく、定番のお寿司におつまみなどの居酒屋風のものが並ぶ。お寿司の盛り合わせでは春夏秋冬と4つのコースがあり、私はここで1番贅沢な冬を注文。ここで他の店とはちょっと違う、私の目と舌を惹きつけるものが。白身魚と鮨飯の間に大葉が!フランスのハーブにはない大葉の香りが口のなかでひろがる。フランス人はこの味を理解できるのだろうか、きっと楽しんでもらえるはず。軍艦巻のかに足はシャキシャキ、でも、何よりも忘れがたいのは小さいエビフライが巻いてあるカリフォルニアロールの一点。パリのほかの店とは比べ物にならないくらいにサクサクしている。
このお店は板前さんのみ日本人のようで、サービス担当はほぼ外国人。店内の内装も西洋人好み。鮨バーという雰囲気。だからお客様の大半がほぼこの辺の人ばかり。ではなぜ、このエビフライに現れるように日本人好みのお寿司なんでしょうか。ビールだってそう。私の大好きな一番絞りなんてパリの和食のお店ではドライばかりなのに。値段もお寿司の盛り合わせ24ユーロ程度というのもフランス人が好む安さ。
MEIJI
24 RUE MARBEFU 75008
TEL 01 45 62 30 14
夢路とみこ
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