[092a]惑星直列

今年2000年5月に惑星が直列するというので、何か起こるんじゃないかと心配する向きもあるようです。惑星が直列する事によって、それら惑星の引力や潮汐力が重なって地球に作用するので、地殻にひずみが生じ、地震や火山噴火などの災害が頻発するのではないかというものです。

しかしその潮汐力を計算してみると地球に影響を及ぼすレベルには全く達しておらず、災害の心配は全くないといっていいものです。去年のグランドクロス(惑星が十字に並ぶ)もそうでしたが、惑星直列も何もないまま過ぎ去る事でしょう。

直列といっても一直線になるわけではなく、みかけ上せいぜい数10度の範囲に集まるに過ぎないものです。一番狭い範囲に集まるのは5月17日19時30分(日本時)頃で、19.4度の幅に集まります。このとき、火星がもっとも西側で、その近くに水星があります。金星が最も東にあって、すぐそばに木星、土星があり、3星でまとまっています。

水星と金星は地球と太陽の間にあるので、直列ということはこれらはいつも太陽の方向にあるという事です。したがって惑星直列を観測するのは太陽を含んでいるため、これらを夜空に見る事は残念ながらできません。