[1266]チャボとシャモ

2019年8月16日

鶏(にわとり)のハナシです。

チャボとシャモ。似ていますが、字を見るとその違いが明らかです。チャボは矮鶏、つまり小さい鶏です。シャモは軍鶏、つまり闘鶏用の鶏です。チャボはニワトリという仲間の品種名です。軍鶏も同じ。つまりどちらもニワトリであることには間違いありません。

チャボ(矮鶏)

ベトナムから来たとされるチャボは小柄なニワトリとして、またいろいろな羽色があるため観賞用として飼育されてきました。体は小さいので食用には向きません。観賞用として古くから愛好されてきました。品種が多く、なかには天然記念物に指定されているものもあります。ちなみにチャボは英語でバンタム。ボクシングの級にあるバンタム級はこのチャボのこと。

シャモ(軍鶏)

はタイ原産の闘鶏用のニワトリです。タイでは闘鶏で生計を立てている人もいるくらい闘鶏が盛んです。2004年に鳥インフルエンザが流行りましたが、そのときに殺処分命令が政府から出て、強いシャモを育てるため多大な努力をはらってきた闘鶏関係者は騒然となったそうです。

日本では闘鶏をする人も少なく、軍鶏は主に観賞用、もしくは食肉用として飼われているようです。闘鶏用のシャモは筋肉が発達しているのでブロイラーと違った風味・食味が好まれるようです。ちなみにシャモという名はタイの昔の呼称「シャム」に由来しているとのことです。

ところで宮崎県の口蹄疫も一段落したようですが、畜産業界って病気に対して脆弱ですね。蔓延を防止するために「殺処分」しかない。鳥インフルエンザの時も養鶏場では全羽殺処分でした。病気にかかったくらいで殺処分なんて人間ではありえません。

畜産の場合は食の安全性の確保も担保しなければならないからやむをえないのかもしれませんが、ちょっと病気にかかったくらいで殺処分するとはリスクの大きな商売です。今回の口蹄疫の件で廃業することを脳裏にかすめた業者さんも多いことでしょう。