[103]菩薩
【菩薩(ぼさつ】は【如来(にょらい)】になるための修行中の仏様だ。頭には宝冠をかぶり、豪華な装飾品(ネックレス・イヤリング・ブレスレットなど)を身につけ、如来の質素さとは対照的に派手である。また手には蓮の花・宝珠・杖・水瓶などを持っていて、それぞれ菩薩の能力を象徴している。
道具の効用としては、鏡(知恵の眼を開かせる)、宝珠(財宝を得る)、経典(善の教えを施す)、葡萄(五穀豊穣)、数珠(念仏の功徳)など。
菩薩は如来と同様に単独で信仰される仏様ではあるが、如来の両脇に並び補助役を務めることが多い。中央の如来を【中尊】、左右の菩薩を【脇侍】といい、合わせて三尊像と呼ぶ。また、家内安全や商売繁盛といった人間的な願いにこたえるために、数多くの手を持ち、さまざまな物を持ち、多忙な仏様である。
菩薩には、慈悲の「観音菩薩」、「勢至菩薩」、「地蔵菩薩」、「弥勒菩薩」、「普賢菩薩」などがある。なかでも観音様の種類は六種類ありこれを「六観音」という。六観音それぞれは「六道」から救済するもの。
「聖観音」は「地獄道」、「千手観音」は「餓鬼道」、「馬頭観音」は「畜生道」、「十一面観音」は「修羅道」、「准胝観音(じゅんてい)」は「人道」、「如意輪観音(にょいりん)」は「天道」から救済する。
そのほかに「不空羂策観音(ふくうけんさく)」という観音様は 人間の苦しみや困惑を羂策という網でもれなく救ってくれるありがたい観音様だ。
尚、手が多いので有名な千手観音は実際に手が1000本あるわけではなく、一本の手で数十の願いを叶えてくれる。というより「たくさんの手」という意味で千手観音というのだと思うが。実際手の数を数えてみたヒト、いますか?