[174]離着陸

飛行機に乗っているとやっぱり落ちるんじゃないかという不安は拭いきれない。そんなとき、ふと美人のスチュワーデスの存在を確認して「まー美人のスチュワーデスと一緒だから落ちてもいいか」などと妙な覚悟を決めてしまうのが我ながらおかしい。

離陸。これは遊園地でジェットコースターに乗り一番最初に高いところまでキリキリ持ち上げられるあの感覚に似ている。ジャンボ機の場合メインエンジンに点火して速度が上がっていくが、約300km/hで車輪が地面から離れる。フェラーリなどのスーパーカーは時速300kmを越えるから彼らに羽をつければ文字どおり飛行することが可能なんだな。

離陸したあとの上昇角度はジャンボ機の場合緩やかだ。昔乗ったボーイング727は上昇角度が急でまるで滑り台を逆に上るような感覚だったがジャンボ機はその点穏やか。なにげなく上昇してゆく。

着陸。何度経験しても一番緊張するのが着陸。高度一万メートルの上空は気流が安定しているのですが、そこから高度を下げてくると気流の悪いところを通るんで必ず揺れるんだ。揺れながら、エンジンの出力を下げ、高度を下げて来るわけなんですが、このときエンジンが止まっちゃうんじゃないかという気分にもなる。主翼のフラップを大きくせり出して速度が300kmを切ると車輪を出して着陸態勢。実際車輪が地面についてブレーキがかかるとほっとします。
やれやれ、って感じ。