[178a]テスコ
テスコの前身は「アヲイ音波研究所」。1946年に数名の電気技術者、楽器技術者が集まって設立された。最初はマイク、アンプ、ハワイアンギターなどを製作し、日本では電気楽器の草分けとも言える。もちろんブランドは「TEISCO」。テスコと読む。
1960年代になると、エレキブーム、GS(グループサウンズ)ブームに沸いた日本では、テスコは大変な人気を集めた。もちろん海外ブランドもあったが当時のエレキ小僧には手が出るはずも無く、自分たちでバンドを組むにはテスコやグレコなどのブランドにお世話になったものだ。
1965年の「エレキの若大将」などのグループサウンズ映画にもテスコ製品は数多く登場している。この映画は、寺内タケシ、内田裕也などの大御所も出演しておりエレキブームの絶頂を象徴している映画である。
しかし、GSブームがあっという間に去ると同時に、エレキメーカーも淘汰の時代になった。テスコはちょっと時代に乗り遅れたのか、倒産の憂き目に遭う。これは当時でも大きなニュースであった。
その後、テスコブランドのギター生産は河合楽器に引き継がれ、1977年まで生産されていたが、90年代に入って60年代の音楽やデザインが再評価され、テスコギター再発売を要望する声が高まり、復刻版が現在も発売されている。当時を懐かしむにはいいアイテムといえる。