[186z]ロンギスクアマ
ちょっと前までは、恐竜は冷血動物でワニやトカゲと同じく爬虫類の仲間とされてきた。最近では、その心臓の構造や行動力、食性などから鳥と同じ温血動物であったとする説が有力だ。つまり鳥は、恐竜を祖先とする。
ところが、恐竜の祖先であるとされる太古の爬虫類の一種に、鳥の羽にあたるものがあったとされる化石がキルギスで発見されていた。これが事実だとすれば、鳥は恐竜から進化したのではなく、独自の進化を遂げてきたという新しい学説が生まれる。
この爬虫類の名前は「ロンギスクアマ」。体長25cmほどの小さな爬虫類で背中に10本の羽を持つ。羽の構造は中空になっていて、現代の鳥の羽と酷似しているという。ロンギスクアマはこの羽を駆使して、空を滑空していたと想像される。
この化石は実は1969年に発見されたもの。当時はなんだかわからずそのままロシア(旧ソ連)の博物館にしまわれていた。たまたま、米国ミズーリ州で開かれたロシア化石展に出展されたものをオレゴン州立大学のジョーンズ博士の目にとまり分析を進めていたものだ。
いずれにしても、2億2千万年前の話。その頃我々人類の祖先は一体何をしていたのであろうか?