[187]マザーズ

ナスダックを迎え撃つライバル市場がある。東証マザーズだ。マザーズはベンチャー企業育成が目的の市場で、日本証券業協会が運営する店頭株式市場だ。オープンは1999年。

マザーズもナスダックと同じようにすばやい資金調達を必要とするベンチャー企業向けに公開されているが、ネット関連だけでなく、介護や環境など時代を先取りする企業にも参加してほしいとのこと。

ベンチャー企業が東証1部上場を目指すには、まず店頭公開し、そのあと東証2部に上場してから、という具合に長い道のりを必要とする。その点、マザーズやナスダックは早いうちから資金調達の道が開かれるため、社会に求められる企業が順調に成長することを助ける効果がある。

上場しようとする企業は店頭、マザーズそしてナスダックという道が選択できるようになったわけだが、それぞれに特徴があり、従来のように東証一部を目指すオーソドックスな企業には店頭市場、設立まもない企業はマザーズ、国際性を期待する企業はナスダックを選ぶといいだろう。

またマザーズはベンチャー精神を重視しているので優良でなくても上場できるとことろが新しい。これは堅実さを要求される今までの株式市場では考えられなかったことだ。設立間もない企業が金さえあれば、と思うこともあろう。また投資家もそういう若い企業にこそ投資してみたいと思うこともあろう。そんな場をマザーズは提供した。リスクはたぶんにあるので投資家もそこを理解する必要がある。

マザーズはネット関連企業など現在、十社が上場している。

スカイマーク エアラインズ株式会社
株式会社リキッドオーディオ・ジャパン
株式会社インターネット総合研究所
株式会社メッツ
◆株式会社クレイフィッシュ
株式会社スノーヴァ
◆株式会社サイバーエージェント
◆株式会社オン・ザ・エッヂ
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
◆バリュークリックジャパン株式会社

上記企業の中で◆マークがついた企業は、たまごやと読者を結ぶ関係に何らかの形で関与している企業である。

ベンチャー企業というのは儲けることよりまずビジネスモデルを形成することが大きな目的であることが多い。ビジネスモデルを形成できなければ倒れることもある。ベンチャーは大きく化けるがそのリスクは元々大きいと理解する必要がある。