[254]木酢液(もくさくえき)
炭焼き小屋で炭を作るに出る煙は、原木のエキスをたくさん含んでいます。その煙をパイプに通し、冷めてくると温度差によって水滴となって落ちてきます。この液体が「木酢液」です。元々は炭焼きの副産物ですが、ヨーロッパでは17世紀ごろから使われており、日本では明治時代から利用されているようです。
木酢液は赤褐色の液体で、焚き火の匂いと申しましょうか、焦げ臭くちょっとすっぱい匂いがします。有機化合物が多く含まれており、主成分となる酢酸、アルコールのほか、200種類以上の天然成分が含まれています。用途は土壌改良、無農薬農法、害虫駆除などの農業のほか、木酢液の殺菌、消臭、消炎作用を活かした化粧品などもあります。
木酢液は殺菌作用と痒み止めの効果があるので、アトピーによるかゆみがとまった、肌がきれいになった、手荒れ・肌荒れがよくなった、水虫がよくなった、ニキビがよくなった、などの雑多な効用があるといわれますが、実際のところ話半分でしょう。虫刺されなどには良いと思いますが。
アトピーなどは原因が別なところにあることもあるので、そちらの原因を取り除かなければなりません。木酢液は、薬ではないので絶対とはいえませんが、天然成分の効果はありますので、試してみる価値は十分にあると思います。
木酢液は、約100kgの原木からわずか5リットル程度しか取れませんので、おおかたの商品は薄めて売っています。化粧品や入浴剤として使うなら薄いものでも良いですが、農業に使うのなら濃いものを使います。しかし、あまり色の濃いものはタールなどを大量に含んだ粗悪品であることもあるので注意しましょう。
通常売られているものは、原液を蒸留した「蒸留木酢液」。これを更に薄めて使います。蒸留されているので、タールの心配はありません。家庭菜園や農業に使うときは原液を使います。蒸留していないのでタールが残りますが、成分は濃いので効果はあります。
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