[276]地下室
広大な土地を持っている人は別として、都内あるいは狭い土地しかもっておらず、しかし広い家がほしいと考える人は多いでしょう。特に建物の高さ制限がある地区では3階建てが建てられないところもあります。
そんなときに出番となるのが地下室です。地下室は以前は建築上の厳しい規定がありましたが、それも緩和され、一般住宅でも普及するようになってきました。アトリエやオーディオルーム、楽器演奏のスタジオなど、近隣への騒音が効果的に遮断できるのが地下室のメリットです。
しかし、地下室はやはり地上の建物とは違いますので、使い方を誤ると危険です。最近でも大雨で突如地下のモールに水が流れ込み、女性が死亡した事故がありました。
主な注意点は、まず洪水時の水が建物の地下に流入するスピードは非常に早い、ということです。一気に流れ込みそしてあふれます。そのために逃げる暇が無いのです。
また、地下室は水圧で、閉じている扉の向こうに水がある程度溜まると、外開き扉も内開き扉も全く開けることができなくなります。こうなると電気もとまり密室状態になります。さらに地下室は防音効果があるため、外で何が起こっているか把握しにくい。急に大雨が降ってもわからないのです。
以上のようなことから、地下室は、居室に使わない、寝室に使わない、常時居るような使い方はしない、というようなことが大事です。地下室は、湿気がたまりやすく、また空気の対流も無く、それ以上に建築コストがかかります。地下室が本当に必要かどうかを吟味することも必要ですね。