[352]ポストハーベスト

2013年5月18日

ポストハーベストとは収穫後に農薬で処理することを言います。ポストとは「後に」という意味で「郵便」のポスト「地位」のポストとは違います。農薬はなるべく使わないにこしたことは無く、そのために有機農法や無農薬農法が叫ばれています。しかし、せっかく無農薬で作っても、収穫後に農薬処理してはなんにもなりません。しかし、輸入の食料品にはポストハーベストされたものが多いのも事実です。

日本の食料品事情は昔から海外の輸入品に依存している度合いが高く、現在ざっと見積もっても、国内消費量の半分は輸入食品です。つまり好むと好まざるとにかかわらず胃袋に入る食料の半分は輸入に頼らざるを得ない状況であることを認識しなければなりません。

したがって、もし何からかの事情で輸入が途絶えたら、私たちの食卓はパニックに陥るに違いない。多くの先進諸国が自給率を高めているなかで、日本だけが食糧の半分以上を外国に頼っている事態は、やはり問題だと思います。

しかし、声を大にして叫んでもこういう政治のことはそうそうすぐに変わるものでもないですから、とりあえず自分の生活範囲内で気をつけていくしかないでしょう。

ポストハーベストを避けるには、なるべく国内産のものを選んで使います。米とパンを比較したら、米の自給率は高いですが、パンの原料となる小麦は輸入に頼っていることが多いので、なるべく米を食べるようにしましょう。

コーヒー豆や紅茶など輸入されているものは信用の置ける業者のもので、かつ無農薬有機栽培を打ち出しているものなら高い確率で安全です。安いものは原産国で虫が発生し、そのまま輸入されることがあり、当然検疫で引っかかります。すると、有機栽培を謳っていても、輸入後に農薬で燻蒸させられます。

牛乳や卵はほぼ全量国産品です。しかしエサの9割以上は輸入に頼っています。飼料用穀物は生産国での管理も悪くそのせいで殺虫剤や殺菌剤が大量に混入されている場合がありますので、それが牛乳や卵に移行している可能性があります。

穀物や豆類を原料とする製品の場合、原料が国産品のものを選ぶ方が総合的にみて安全性は高いと思われます。少々高いですが、国産小麦使用、国産大豆使用などの適確な表示のある食品を選んで購入する努力が必要でしょう。