[360]コーチング
人材育成の場でコーチングがブームになっているようです。コーチングはもともとスポーツの世界をルーツとしており、その語源は馬車が目的地まで人を届けるつまり「目的を持ってゴールに達しようとする人をサポートする役割をになうのがコーチ」というわけです。具体的には「個人の自己実現をサポートするシステム」、「ゴールに向かう個人の才能、能力を引き出す手法」とされています。
コーチングとは相談者が抱える問題を分析し、具体的な方法を自分で考えさせるための助言を行い、その実行に対しても助言をしていく新しい人材育成の手法です。あくまで相談者の実行を手助けするのが目的で、強制するような「指導」を避けるのが特長です。
具体的には、「相談者が抱える問題点を明らかにする」「違う角度から問いを投げかけ、相談者の視点を変えさせる」「相談者がスムーズに行動に移せるよう、行動の始まりと終りを明確にする」などで、「なぜ、××をしなかったのか」というような否定を含む質問は避けるのが特長です。
アメリカではすでに一万人以上のコーチがいると言われ、経営問題に悩む企業経営者から、ダイエットに励む若い女性まで、幅広い層がコーチングを利用しています。以下カウンセリング、コンサルティングとの違いです。
◆カウンセリング
相談者が抱える問題を分析し、どういうことが問題なのかを明確にする。そして解決策をカウンセラーが提示しその行動を助言をする。相談者はなにが問題なのか、問題になっていることすらわかっていない場合が多い。ゴールはカウンセラーが提示する。
◆コンサルティング
相談者が抱えている問題を洗い直し明確にする。明確にすることによっておのずと解決策が見えてくるので、それを相談者に提示し、解決の方法を教示する。ゴールはコンサルタントが提示する。
◆コーチング
相談者に問題点を挙げさせ、それに対してどうしたらいいかを考えさせる。そして問題解決する方法を自分で考えさせそれを実行させる。あくまで強制せず自分で解決に向かうことを助言する。したがってゴールは相談者自身にあり、相談者自身が決める。コーチは相談者が決めたゴールに進むための手助けをするだけ。途中経過を重要視するのが特長。