[385]スタッドレス道路

いやこういう名前の道路があるわけではありません。今私が命名しました。

雪道を走る時には、スタッドレスタイヤやチェーンを装着しますね。滑らないために当然の処置です。ところで、スタッドレスタイヤが雪や氷の上でも滑らない原理はご存知でしょうか?

氷というのは圧力をかけるとそこだけ溶けて水になります。その水がすべる原因なんですね。だからすべる前にその水を排水すればいい。スタッドレスタイヤはその水をタイヤの柔らかいゴムですばやく排水するから滑らないのです。大事なことは低温下でもゴムをが十分柔らかいこと。ゴムは低温で硬くなりますからここが技術の見せ所な訳です。

さて、そのスタッドレスタイヤの効果をタイヤではなく道路のほうに持たせてしまったというのが今回のお題「スタッドレス道路」です。

産業廃棄物で頭を悩ませるものに廃タイヤがあります。よく野積になって火災を起こしているアレです。この廃タイヤで道路を作ってしまえ、という発想です。つまり、タイヤの弾力性に目をつけて柔らかい道路を作ってしまったのです。廃タイヤを道路の舗材に使うことによりリサイクル促進の観点からみてもグッドアイデアです。

その舗材となるものは、氷を溶かす作用をする塩化カルシウムなどを主成分とした凍結遅延材を混入したものにゴム粒子(廃タイヤを粉砕したもの)を配合したもの。ゴムの弾性を利用し、走行車両の荷重により路面の氷結層を破砕、はく離飛散させる機能を持ったスグレモノの道路です

この道路は、耐摩耗性に優れており、たわみ性にも優れており舗装面のひび割れが発生しにくいという特徴があります。まだまだ試験的に運用されているようですが今後の道路のありかたとして期待されます。

道路のほうで雪道対策をしてくれれば、いちいちスタッドレスタイヤに履き替えたりチェーンを巻いたりする必要が無く快適なんですけどね。広く普及してほしいものです。

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