[389]春一番

2013年5月19日

今日、関東地方で春一番が観測されました。例年に比べ、早くもなく遅くもなく順当な春一番だと思います。春一番とは春の訪れを知らせる1番目の南風のことですが、実は次のように厳密に条件が決められています。

春一番の条件

・期間:立春から春分の日まで
・日本海に発達中の低気圧があること
・東南東から西南西の8m/s以上の風を観測していること
・日最高気温が平年値を上回っていること

これらの条件を満たすと晴れて「春一番」と呼ばれます。条件を満たさないときはその年は「無い」ことになりますが、関東地方で春一番が無い年というのは滅多に無いです。しかし、春一番は地方によってまちまちであり、九州地方南部では春一番が無い年もあるそうです。

春一番の語源は、もともとは長崎県壱岐の漁師の言葉であるとされています。江戸時代、五島沖で漁師仲間が強い南風のために遭難し、それからというものは「春一」と呼んで警戒したのです。それが昭和30年代に気象用語に採用されて広まったといわれています。

春の兆しを伝える風といえば「東風」もそうです。「馬耳東風」とは、馬には春風のありがたさがわからないという喩えで「他人の言葉に耳を貸さず、全く反省しないこと」とされますが、果たして馬は本当に春風を理解しないのでしょうかね?