[414]枕木

枕木の歴史は鉄道の歴史でもあります。今では枕木はコンクリート製がほとんどですが、かといって枕木の需要がなくなったわけではありません。枕木は消耗しますから保線のために交換され、その需要があります。しかしそれにも増して近年需要が伸びているのがガーデニング用の枕木です。

ガーデニング用の枕木というのも変な言い方ですが、その需要の伸びは「線路の枕」としての需要をはるかに超えているそうです。枕木の製造は斜陽産業といわれていましたがここにきて脚光を浴び、製造業者もびっくり。いやもっとびっくりしているのは当の枕木くんかもしれません。

枕木は何でもいいというわけではなく、当初は「クリ」の木のみが使われていました。クリは硬く丈夫で枕木に適していました。枕木の製造会社はこのクリの木を求めて工場を転々と移動したとさえ言われています。今ではクリだけでなく、もっと柔らかい輸入材でも十分な強度を得られるようにする技術が開発されたため色々な材料が使われています。

枕木がガーデニングに使われる最大の意理由は、その防腐性です。そして木の持つ優しさ、レトロな雰囲気、鉄道を支えてきたダイナミックな雰囲気だと思います。枕木建てて並べ塀として使うなどは迫力満点です。

枕木の防腐性は巨大な缶の中で高圧で注入されるクレオソートの効果にあります。道路工事中に漂うあの匂いは強烈ですが、そのおかげで強力な防腐効果があり、地面に直接埋めても白蟻を寄せ付けないのです。

しかしどうしてもあの匂いがだめだという需要も見込んで、最近では匂いの少ない枕木の開発も進んでいるようです。鉄道よりガーデニングに需要の多い昨今、当然の流れといえましょう。なお枕木は全国のホームセンターで買うことができます。