[430]五臓六腑

五臓六腑に染み渡るとよく言いますが、五臓六腑とは体のどの部分をいうかご存知でしょうか?

五臓六腑とは中国の解剖学で言われていた言葉で、漢方薬の処方では今でも使います。漢方は五行を身体に当てはめ、その相克の関係をみるのですが、要するに五臓が力関係でバランスがとれていれば健康という訳です。

五臓とは、心臓、肝臓、肺臓、脾臓、腎臓、の五つをいいます。健康を保つにはこの五臓が元気よければよろしい。

次に六腑ですが、この概念がちょっと難しいかもしれません。六腑も臓器を表し、主に排泄物の通り道になっている臓器を指していいます。

大腸、小腸、胆、胃、膀胱をさして五腑といいますが、これに三焦(サンショウ)を加え六腑といいます。

大腸、小腸はそのまんまです。

胆とは大きくは肝臓のことですが、狭義では胆汁を分泌する機能をいいます。肝臓は色々な機能がありますが、胆汁を作り、十二指腸へそれを送って消化を助けます。主に脂肪を分解する機能があり、脂肪を摂取しすぎな現在人にとっては重要な器官です。

更にわかりにくいのが三焦(サンショウ)でしょう。

三焦とは六腑の一つで上焦、中焦、下焦に分かれています。上焦は一般に胸から上の部位をいい心臓、肺が含まれます。

中焦は胸から下、臍から上の部位で脾臓、胃が含まれます。

下焦は臍から下の部位で腎、膀胱、小腸、大腸が含まれます。

この三焦の定義は今でも色々な論議があってはっきりの決まっていませんが、概念としては五臓六腑全体を包括している大きな袋のようなものと理解されるといいでしょう。

なお、五臓六腑の中に膵臓(すいぞう)が含まれていません。膵臓は五臓に負けない大切な臓器ですが、解剖学的に発見されたのが比較的新しく、またその機能について長い間認識されなかったということが上げられます。なにしろ昔は脂肪と間違われていたくらいですから。

ちなみにすい臓はインスリンというホルモンを作ります。インスリンは血糖を調節する非常に大切なホルモンなので糖尿病には欠かせないホルモンです。

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