[496]日の丸

日本の国旗は日章旗(にっしょうき)です。これはいわゆる「日の丸」ですが、日本民族が天照大神すなわち太陽を神として崇めていた所以でもあります。

世界各国にはそれぞれの国の国旗がありますが、日本の国旗ほどシンプルかつデザイン的に優れたものはないでしょう。これは手前味噌ではなく諸外国の識者も日本の国旗を誉めることからもわかります。では、日本はいつ頃から日章旗を国旗としたのでしょうか?

文献から、文武天皇元年(697年)正月の儀式に大極殿の前に日章旗が掲げられた事が記録されているとのこと。その後、平安末期源平の頃になると武士が台頭し、那須与一が射落とした扇も日の丸であったことから、盛んに日の丸が用いられたことがわかります。

その後、秀吉をはじめとする武将が海外に遠征する時にも船に日章旗を掲げたことから、この時代には既に「日章旗=日本の国旗」という意識が固まっていたと思われます。

ただし最初に用いられた日章旗の日の丸が紅かったかどうかは定かではなく、南北朝時代になって、紅い日の丸が使用されたことが記録されています。ですがもともと太陽を象徴しているだけに、日の丸の色が紅以外とは考えにくいですね。現在では日章旗は紅い日の丸と定義されています。

日章旗には細かい規定があって、旗の寸法比や日の丸の大きさはきっちり決められています。正式に国旗として色や寸法が制定されたのは、明治3年1月27日制定の太政官布告第59号に国旗の寸法等についての定めがあり、それに基づいていました。現在では「国旗国歌法」が平成11年8月9日で可決されたため、以下の寸法に統一されています。

【日章旗の決まり】

・縦は横の三分の二
・日章の直径は、縦の5分の3とする。
・日章は旗の中心。
・旗の地色は白、日章は紅色。

これが明治3年の太政官布告第59号では、縦横比は横10:縦7、日章の中心は旗面の中心より、横の100分の1旗竿の側に近寄るとされていました。

現在のほうが幾分簡単になっていますが、以前の決まりのほうが美しく見えるようです。また、以前のやり方で作られた国旗も違法ということは無く、そのまま認められています。

国旗とか日の丸とかいうととかく軍国主義とか帝国主義とかの論争を巻き起こしがちですが、たとえば国旗を全く別のものにする、といった案があったとしたらどうでしょうか?日本人としてはやっぱり日の丸以外には考えられないと思うのですがね。

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