[521]バルサミコ
ローマ帝国の時代からイタリア料理に欠かせない芳醇な味と香りのバルサミコ。バルサミコというのはお酢の一種ですが、日本のいわゆるお酢とはまったく違うものです。また、ワインビネガーの一種と理解されることもあるようですが、じつはワインビネガーとも違うものです。
バルサミコは「煮詰めた葡萄果汁」という意味で、トレッビアーノという白葡萄を原料とし、その生の果汁を煮詰めて糖度を増し、栗や樫の木などで作った樽で発酵・熟成させます。毎年樽から少しづつ取り出し、別の樽へと移しその過程を繰り返し、熟成には最低5年かかるとされます。なかには100年もの歳月をかけて作られたものもあるとか。ゆっくりとしたときの流れが作り出すスローフードの最たるものといえます。
今ではバルサミコはスーパーで安く手に入れることもできますが、それとはべつにトラディショナルなバルサミコもぜひ手に入れたいもの。トラディショナルなものとはバルサミコ協会が認めたもので、規定の丸いビンに詰められ一見してそれとわかるようになっています。
ただし、古く高価なものがずべての料理に合うというわけでもなく、安いバルサミコのほうがかえってさっぱり料理に合うことも多いのです。また、オリーブオイルと違ってたくさん使えばいいというものでもありません。要は使いようです。
肉や魚料理のソースの隠し味としてのみならず、フルーツやアイスクリームにもあう不思議なバルサミコ酢。イタリア1000年の味の歴史に触れてみませんか?
お値段:明治屋調べ
バルサミコ・トラデイディツィオナーレ25年15,000 円
バルサミコ・トラデイディツィオナーレ12年8,000 円
ジュゼッペ・ジュスティ アチェート・バルサミコ6年物1,300 円
【関連記事】
[567]酢