[575]バレンタインデー(2)

バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣は日本独特のもの。仕掛け人は神戸の「モロゾフ」。1936年にバレンタインの風習を日本に初めて紹介しました。モロゾフは神戸の洋菓子メーカーですがもともとはロシア革命を逃れて日本にやってきたモロゾフさんが日本で洋菓子を作り始めたのがきっかけ。2月という春の息吹を感じる季節、チョコレートという甘くも切ないお菓子というイメージがピッタリ重なりバレンタインデーは日本に定着したのです。おりしも世相は2.26事件が起こるような暗い社会、国民が明るい話題に欲していたのも定着した原因の一つでしょう。

神戸といえば日本の洋菓子発祥の地です。モロゾフのほか、マカロニ・ゴンチャロフなど有名な菓子メーカーが目白押し。これは、第1次世界大戦で日本軍の捕虜となり、そのまま日本に留まってそれぞれ本場の洋菓子づくりを神戸に持ち込んだからです。戦争がなければ、モロゾフもゴンチャロフも日本にはなかったもしれません。戦争もまた文化に貢献する・・。

最近は不景気なこともあって、義理チョコはあまりやらないそうな。若い女の子は本命に命をかける。それもいいでしょう。でも義理チョコももらう方はうれしいものです。ホワイトデーはお返しに大変ですけどね。

イギリスでも義理チョコならぬ義理カードと言うものがあるらしい。自薦、他薦を問わず「職場の花」にはバラの花束はともかく、カードくらいは出さなければならないという雰囲気があるようです。もらった女性もおおっぴらに机にならべたりする。でもこれは一つのお祭り的イベント。おしゃれな大人の遊びといえるのではないでしょうか。

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