[617]捕鯨

1960年代の少年漫画誌には見開きでよく捕鯨船の詳細が載っていました。マッコウクジラをロープの付いた矢銃で捕らえ、水揚げされた鯨はその場で解体されるという図が詳細に描かれていました。

しかし、それは昔の話です。当時は鯨は国民の大事な蛋白源でした。今は鯨は酒肴品でありなくてはならないものではありません。鯨を食す文化があるというだけです。ところが反捕鯨国は日本は鯨を大量に殺戮しそれを食料にしていると思っています。

日本は捕鯨国ですが捕鯨をしなければ生きていかれない、というわけではありません。いま世間で問題になっている捕鯨問題は日本を含め国際的なコミュニケーションが不足しているために起こった問題といえましょう。

国際捕鯨委員会(IWC)に加盟している国は39カ国。そのなかで捕鯨国はわずか日本を含め3カ国。残りの国は反捕鯨国です。こんなIWCで採決すれば反捕鯨国が勝つに決まっています。そういう意味ではIWCは「捕鯨禁止機関」といっていいでしょう。

そんなIWCに愛想をつかせ捕鯨をはじめようとするのがノルウェーです。捕鯨国アイスランドは脱退しました。そうです。そんな機関は脱退して独自に捕鯨を始めればよいのです。しかしなぜ日本は脱退もせずIWCに加盟しているのかというと、脱退するとアメリカから制裁を受けるからなのです。そのため脱退もできず、わずかな捕鯨も出来ないという状況に陥っているのです。

日本の捕鯨に強固に反対する国はアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスですが、これらの国も以前は捕鯨をしていました。海洋哺乳類が知能があるとわかって最近になって捕鯨をやめたのです。

知能は牛だって豚だってあります。それを鯨だけダメだというのは理屈になっていないし、鯨と同じ仲間のイルカに至っては何の規制もありません。「鯨だけを殺すな」という主張は正当性がなく首を傾げるばかりです。

絶滅に瀕している種族を守るのは人類の義務ですが、それは論理的にかつ妥当で適正でなければなりません。そういう観点から見るとIWCは明らかにおかしいし、それに対応できない日本は輪をかけておかしい。

ちなみに、鯨とは成獣で体長4メートル以上になる種類を「クジラ」といいそれ以下を「イルカ」といいます。クジラとイルカは全く同じ仲間です。

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