[813]サリドマイド

2013年5月25日

1950年代に薬害で問題になった「サリドマイド」が最近インターネットで簡単に手に入ることが問題になっています。インターネットでは個人輸入という枠を使えば、日本で認可されていない薬も簡単に買うことができます。

サリドマイドは当時安全な睡眠薬としてドイツで開発された薬で、日本でもイソミンなどの薬名で睡眠薬や胃腸薬に使われて販売されていました。しかし、この薬は妊婦に対して高頻度で薬害が発生することが判明しました。生まれた胎児は四肢の全部あるいは一部が短いなどの独特の奇形をもって生まれてくることが数多く生じたのです。

サリドマイド被害者の会は、製造元の大日本製薬や国を相手に訴訟を起こし、約20年の裁判の末、1970年台にやっと和解が成立し一段落したところなのです。しかし、なんでまたそのサリドマイドが問題になっているのか?

それは、サリドマイド剤が骨髄腫などのがんに効果があるからなのです。日本の医師によって個人輸入されたサリドマイド剤が、希望する患者に使われているらしいということ。こういった情勢があるならば、闇雲に禁止するのではなく、必要な患者にはそれを使わせ、不必要に手に入らないようより厳しい管理が必要です。

ちなみに日本でも治療にサリドマイドを使うと宣言している病院もあり、しかしその場合には女性のみならず、夫である男性にも避妊手術を施すなどの万全の準備で行なわれているようです。