[846]冥王星(Pluto)

「水金地火木土天海冥」

これは誰でも知っている太陽系惑星の並び順です。一番近いのが水星。一番遠いのが冥王星です。一番外側の冥王星は軌道の一部が海王星の軌道より太陽側に入り込んでいるため、1979年から1999年までの20年間は水金地火木土天「冥海」と言われていました。今は「海冥」に戻っています。冥王星は太陽の周りを約248年かかって一周していますから次に「冥海」となるのは約210年後ということになります。

しかし公転が248年というのは凄いですね。冥王星での一年は地球換算で248年ということです。もし人間が冥王星に住んだら、一年も生きられないことになります。もっとも、向こうでは時間もゆっくり流れているかもしれませんが。

太陽系の惑星は、地球型と木星型に大きく分けられます。地球型惑星は岩石質惑星ともいわれ、水星、金星、地球、火星がそうです。その外側は小惑星帯があり、その外側には木星型惑星である木星、土星、天王星、海王星があります。地球型惑星はコアを持つ小型の岩石型惑星であるのに対し、木製型惑星はは密度が小さい、大きさが大きい、ガスで出来ている、地面がない、リングを持っている、衛星をたくさん持っているなどの特徴があります。

では冥王星はどうかというと、これは意外にも地球型の惑星となっています。大きさは地球の衛星でもある月よりも小さいのです。にもかかわらず冥王星の半分もある大きな衛星(カロン)を持っているのです。しかも冥王星とカロンとの距離は地球と月の距離の20分の一。冥王星に降り立てばかなり迫力のある月見が堪能できることでしょう。

冥王星は太陽系の中では最も遠く、見つかったのでさえ1930年と最近です。唯一探査宇宙船の近づいていない惑星なので、詳しいことはあまり解明されていません。太陽系では冥王星より外側をカイパーベルトといいますが、そこに属する天体として、太陽系の惑星とは一線を画す意見もあるようです。

ちなみにカイパーベルトの外側には「オールトの雲」というのがあります。最近発見されたセドナはこのオールトの雲に属する天体として始めて発見されたものです。

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