[910]ベランダとバルコニー

ベランダとバルコニーの違いはよくクイズにもなるようです。ベランダ(Veranda)もバルコニー(Balcony)も階上部分の外側に設置されるスペースとして今は同じような意味に使われていますが、実際には似て非なるものです。

ベランダとは、家の周りの巡らす屋根のある縁側・廊下・回廊という意味合いがあり、軒先を延長した利用価値のある場所という意味になります。日本的にいうなれば「下屋(げや)」でしょうか。定義としては作業ができるように「屋根があること」が必須です。

「二階のベランダ」などというように、階上の表に面するせり出した部分をベランダとよくいいますが、一階にあっても庇(ひさし)があれば本来はベランダといいます。ですがこれをベランダということは稀で、通常は「テラス」などと呼ばれることが多いと思います。

バルコニーとは突き出した「円座」のことです。劇場の二階席などによくある張り出した座席がありますが、あれがバルコニーです。建物に付随する「露台」という意味があり、屋根の有る無しは問いませんが「露台」となれば屋根はなくても良いことになります。

ちなみに不動産用語としては、一戸建ての二階部分につく場合はベランダということが多く、中高層のマンションではバルコニーと呼ぶことがほとんどです。バルコニーのほうが聞こえが良いからかもしれません。「渚のバルコニーで待ってて…」

建築基準法では、バルコニーは手すりもしくは壁が付けられていることが必須で、手すりの高さは床面から110cm以上と決められています。また、階下の屋根部分を利用して作ったバルコニーを「ルーフバルコニー」といい、北側にあるバルコニーをサービスバルコニーなどといいます。

バルコニーの面積は占有部分に含まれないため、不動産的には大きなバルコニーがついている物件がお得です。ただし、その部分はマンションの住人全員の共有となるため、自分の所有であることは主張できません。場合によってはバルコニーの使用方法を制限することもあります。美観を損ねる物を置いてはいけないとか、バルコニーでパーティをやってはいけないとか。