[961]熱があるときの風呂、注射のあとの風呂
子供のころ、注射をした後にお医者から「今日はお風呂は入れませんから」といわれた記憶がある人は相当の年配。当時は世の中の衛生状態も悪く、注射の痕から雑菌が進入して化膿する可能性があったため、このように「風呂禁止」が蔓延したのだと思います。
しかしよく考えてみれば、注射針くらいの穴はすぐに閉じてしまうし、仮に風呂水でその穴から入ったくらいで化膿することなどありえません。当時の厚生省も万全を期してこのような指導をしていたのでしょう。もちろん今は注射をしても特に健康に異常がなければ入浴しても一向にかまいません。
同様に、風邪などで熱があったとしても、風呂に入ってもかまわないというのが最近の説です。風呂に入ると、まずさっぱりして気持ちがよくなります。これは風邪で滅入っているときには精神的に大きなメリットです。また皮膚を清潔に保つため新陳代謝が高まります。そして体が温まり、よく眠れるということもあげられます。
なぜ昔は風邪をひいたら風呂はダメ、といったのでしょう?
これはやはり当時の住宅事情に起因するものと思われます。当時は風呂は銭湯が主流。また家にあったとしても外湯だったりします。当然風邪をひくような冬場は湯冷めをしやすい。したがって、風呂は入らないほうが無難だったわけです。今は機密性の高い暖房のきいた浴室が完備されていますので、このような心配は無用です。
しかし、風邪といっても38度以上の高熱や、体力が落ちているときはやはり風呂は避けたほうが無難です。入浴は軽いジョギングと同じくらい体力を消耗しますからね。