[988]新惑星(カロン、セレス、2003UB313)
太陽系の惑星の定義が今変わろうとしています。私たちは太陽系の惑星といえば太陽に近いほうから水金地火木土天海冥の9つと教わってきました。しかし、太陽系の解明が進むうちに新たな惑星が見つかってきたのです。太陽系の惑星を今より3個増やそうという国際天文学連合(IAU)の惑星定義委員会の提案です。
新たに増える惑星は以下の3つです
・第10惑星=2003UB313(直径約2400km)
・カロン=従来は冥王星の衛星とされていた(直径約1200km)
・セレス(ケレス)=これまで小惑星と分類(直径約950km)
※ちなみに地球の直径は12741.9km。月の直径は3476km。
これより大きな天体も存在するのですが、惑星の定義が
(1)天体が自ら球状の形を維持できる重力をもつ
(2)太陽のような恒星を周回している天体で、恒星や、惑星の衛星ではない
という条件を満たさなければならず、まだ確認できていないことから見送られているのが現状です。
一方で冥王星が惑星かどうかの議論もあります。冥王星は1930年、米天文学者クライド・トンボーが発見した惑星。それゆえ米国民は冥王星への愛着が非常に強く、かつて冥王星を他の惑星と区別して展示したプラネタリウムに抗議が殺到する「事件」が起こったほど。
しかし冥王星は月よりも小さく、しかも軌道が他の8惑星の共通軌道面から大きくはずれているため惑星ではなく小天体とする科学者がほとんどなのです。今回カロンとあわせて冥王星が惑星という地位を確保したことは全米で大きなニュースとなっています。
ちなみに今回の定義で冥王星の衛星とされてきたカロンが惑星に昇格、冥王星とカロンはお互いの周りを回る二重惑星ということが判明しています。
【関連記事】
[846]冥王星(Pluto)
[590]旅する地球
恒星と惑星
という話から一転して、冥王星が惑星からはずされることが決定しました。(2006.08.24)
科学者が決めた定義からはずれすものとして採択されたようです。以前より冥王星は惑星ではないとする科学者がほとんどだったとは言え、9個の惑星は地球的文化であっただけに、頭の切り替えをするのに時間がかかりそうです。といっても冥王星自体がなくなるわけではないので、事の成り行きを見守りたいと思います。
(速報)太陽系の惑星の定義確定
8月14日からチェコのプラハで開催されていた国際天文学連合(IAU)総会は、最終日の8月24日、太陽系の惑星について決定しました。これは海王星・冥王星より遠い小天体が最近多数発見されていることなどにより、これまでの太陽系像を改定する科学的必要が生じたもので、2年近い討議と特別委員会での検討、今回の総会での熱心な科学的討議により決定されたものです。
第26回国際天文学連合総会ホームページ
http://www.astronomy2006.com/
国際天文学連合総会ニュースペーパーページ
http://astro.cas.cz/nuncius/
国立天文台ホームページ・惑星の定義について
http://www.nao.ac.jp/