[1001]核保有国
核保有国とは、核拡散防止条約(NPT)により、1967年1月1日より前に核兵器その他の核爆発装置を製造し、かつ爆発させた国を核保有国として定義されています。
当初の核保有国は米国・ロシア・英国・フランス・中国の5ヶ国でした。これらの国は国連安全保障理事会の常任理事国でもあります。核保有国が常任理事国であることが世界の情勢を暗黙に語っているといえます。その後、核実験を行ない「核保有」を宣言したのがインドとパキスタンです。現在はこの7ヶ国が核保有国となっています。
その他の国では、イスラエルが核を保有している可能性が高い国とされています。またイランも核保有の疑惑のある国です。リビアは核保有を断念しました。また南アフリカは一時は核を保有しましたがその後廃棄しました。
今回2006年10月9日に北朝鮮が核実験をしたと公言しましたが、核実験は核爆発装置による爆発実験ですから、これが本当だとすれば、核保有国として世界に認知されることとなります。
核拡散防止という考えが世界の常識ですが、北朝鮮からすれば、米国・ロシア・中国が保有しているのに自国の保有を非難するのは不公平だとする思いがあるでしょう。また、核保有国が常任理事国をかねている事実などから、世界に対する影響力も魅力であると感じているのでしょう。
暴挙としかいいようのない北朝鮮の行為ですが、現体制の保持、そしてアメリカの脅威からすれば必死の策といえなくもないものです。しかしこのままでいけば、体制の崩壊か、第二勢力によるクーデター、そして国自体の崩壊につながることは間違いありません。
なお、核実験がたとえ成功したとしても、ミサイルに搭載できるプルトニウム型の核弾頭を作るには更なる技術が必要です。核保有国ではパキスタン以外の6ヶ国は長射程ミサイルへの搭載が容易なプルトニウム型弾頭を保有していることがわかっています。