[1017]風水

古来より地形をみてその地形が自分にとってあるいは人間にとって有益かそうでないかを見極める技術として風水術というのがあります。せっかく家を建てても洪水で流されたり、裏の山が崩れたりしては安全な生活は営めません。家を建てる前に風と水にお伺いをたてる、これが風水です。風水というと神秘的な「占い」と思われがちですが、じつは安全に生きるための「生活の知恵」といえるものなのです。

風水とは簡単にいうと、大地の地形から、大地に這う龍脈というエネルギーの通り道を読み取り、そのツボとなる龍穴を利用する術です。人体に経穴というツボがあるように大地にもツボがあるんですね。

人体の経穴は鍼灸・指圧の重要なポイントです。古武術や中国武術ではツボは急所または秘孔などとも呼ばれ攻撃の重要なポイントになります。つまり、経穴は使用方法によって身体を健康にしたり逆に身体の機能を損なうことができるわけです。大地の龍穴も同じ様に使うことができます。つまり風水は大地の鍼灸術といえるわけです。

風水はおおまかに分類すると、大地をみる「地理風水」、墓をみる「陰宅風水」、人間の住まいをみる「陽宅風水」の3種類があります。

地理風水を利用して作られた町が京都です。平安京は風水によりは遷都されたといわれていますが、その地形は四神相応の地とよばれる典型的な風水の好適地です。また東京も富士山からの龍脈が幾重にも集まっている風水上の好適地だとされます。

陰宅風水は、死者を風水上の好適地「龍穴」に埋葬することにより、その作用を子孫に及ばせる術です。先祖が良い龍穴の地に埋葬されるとその子孫には良い命運をもった子供が産まれ、繁栄すると考えられています。中国では皇帝は風水師に莫大な金を払い良い龍穴を探させたといいます。そして皇帝になる要素のある龍穴は「天子穴」といわれます。

陰宅風水の例としては、中国明王朝の陵墓である明の十三陵が有名です。ここには歴代皇帝が眠っています。また日本では徳川家康の陵墓である日光東照宮も風水上の大変良い龍穴上にあるといわれています。

さて、近年風水は世界的に注目を浴びており、日本でもこれは例外ではなく書店には多くの風水書が並べられています。これらの風水は「陽宅風水」の種類であり、我々の住む家に良い気を招き入れ悪い気を払う術でとして使うことができます。

ちなみに私たまごやは占い師ですが、専門は四柱推命です。