[1048]スノーボールアース(2)

前号より続き

スノーボールアース以前に存在した原始生物はおそらく、このとてつもない大氷河時代に死滅してしまったことでしょう。しかし、凍りついた地球を溶かしたことで、かろうじて生き残った生物が爆発的に進化したとされます。

大気中の二酸化炭素の濃度は現在0.04%程度ですが、スノーボールアースの時代は10%にも達したと推定されています。これはものすごい温室効果をもたらしたに違いありません。そして、その二酸化炭素は海に取り込まれ、その二酸化炭素を食べて成長する生物が爆発的に増えたのではないでしょうか。

たとえば、藻類などの植物の祖先は、豊富な二酸化炭素を取り込み、光合成によって大量の酸素を放出したかもしれません。そして活動的な化学反応を起こすその酸素を取り込み、効率的にエネルギーを得ることに成功したのが我々の祖先かもしれないのです。

この仮説は、先カンブリア紀までの長い原始時代から、いきなり生物の進化の時代に突入した大きな理由になるものです。スノーボールアースがなければ、そして火山活動がなければ、そして二酸化炭素による温室効果がなければ、今なお地球は凍りついたままだったかもしれません。またそうでなくとも、今なお海に漂うのは原始生物かもしれません。

もしスノーボール時代がなかったら、私たちは今なお虫けらのように海水中を漂っていたかもしれません。いずれにしても人類の存在など夢にも起こらなかったでしょう。

大気の成分は、そのほとんどがチッソ(78.08%)と酸素(20.95%)です。そしてアルゴン0.93%、二酸化炭素0.04%、水蒸気0.0~3.0%となっています。地球温暖化の要因として二酸化酸素が取りざたされていますが、大騒ぎする割には微量であることがわかります。

地球温暖化の問題として、この二酸化炭素を大気中に排出することだけ捕らえるのではなく、その収支を考えなければなりません。地球上の資源は、宇宙に放出しなければ、有限です。もちろん酸素もチッソも二酸化炭素も絶対量は変わりません。要は、その使いかた次第ということです。

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