[1111]テロ対策特別措置法

2007年11月1日に期限切れとなるテロ特措法の延長をめぐって、与野党が対立しています。民主党の小沢一郎さんは延長に真っ向から反対しており、9月10日召集の臨時国会では大波乱があるのではないでしょうか。

テロ特措法は2001年9月11日にアメリカ合衆国で起こった同時多発テロに対する支援目的で制定された法律です。法律の本当の名前は長く以下のとおり。

『平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法』

特別措置法なので、目的を達した時点で消滅する法律ですが、その目的を達していないという判断から、アメリカは延長を求めているのです。与党としては制定した小泉政権そして安倍政権でもアメリカとの協力という立場から継続延長する意向です。

この法律のもと、自衛隊は国外でテロ対策支援行動がとれることになっています。現在、戦闘地域でないインド洋でアメリカ軍への燃料の補給活動を行っています。この措置法が失効すれば、自衛隊は帰国することになりますが、それをアメリカはよく思っていません。アメリカの意向を受けて続けて海外派遣をするにはこの法律を延長する必要があるわけです。

しかし、日本には憲法9条で戦争はしないと宣言しているため、他国において戦争を支援するような行動をとっていいのかという議論があり、この特措法は違憲ではないかとする論者もいるのです。

憲法9条と自衛隊、そして国防問題は簡単ではありませんが、これからの日本の安全を考えたら、やはり国防は避けて通れない問題。アメリカにすべてを依存できなくなった今こそ、安倍政権は民意を得ながら日本の自立を進めていく必要があるといえます。

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