[1175]マンチキンとマンチカン
マンチキンと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
私は、その昔ダンキンドーナツにあった、小さく丸いドーナツ。そして猫でしょうか。英語表記ではMunchkin。
ダンキンドーナツのマンチキンはちょうどドーナツの穴の部分と同じ大きさで、穴をくりぬいた残りの部分というイメージがありましたが、実際にはくりぬいたわけではなく、そういう形のものを改めて作っていたようです。
商品としては「ドーナツの穴」というイメージで、色々な味が楽しめるためなかなかの人気でした。しかしダンキンドーナツなき今ではお目にかかることはありません。というのもダンキンドーナツは1970年に日本に進出したものの1998年には日本撤退。日本国内のドーナツチェーンは現在はミスタードーナツ(ミスド)のみとなっています。
本家アメリカではこれは全く事情が逆で、ミスタードーナツはダンキンドーナツに吸収され、アメリカではミスタードーナツの店舗を見ることはできません。そもそもミスタードーナツとダンキンドーナツは創業者同士が親族関係にあったため、吸収合併もスムーズであったことでしょう。
ちなみに、マンチキンとはもともとは「オズの魔法使い」に登場する狡猾な小人のこと。悪口としても使われる言葉なので、外国人に向かって使うことは控えましょう。
そして猫のほうのマンチキン。猫種のマンチキンはマンチカンといわれることが多く、そのもっとも顕著な特徴は短足であること。1953年にドイツで発見された短い足の猫を固定した猫種です。短足であること以外、毛色や体型は普通の猫です。アメリカンショートヘアーみたいなタビー模様のマンチカンやシャムネコのような体型のマンチカンも存在します。
マンチカンの猫は純血種の場合には血統書が付されますが、血統書が付いているからといって必ずしも短足でないこともあります。これは耳が折畳まったスコティッシュフォールドという猫も同じで、立ち耳なのに血統書ではスコティッシュフォールドとなっています。こういった特徴が現れていない猫でも、交配用として相変わらず高価で取引されているのです。
足が短くても、猫は猫。そのすばしこさはかわりありません。低い姿勢で駆け回るその姿は愛嬌もあり、ここのところ人気沸騰中のマンチカンです。